渋谷区恵比寿の歯科医院|SHIRON DENTAL OFFICE(シロンデンタルオフィス)

お口の中の乾燥による悪影響とその対策について詳しく解説します

👉お口の中の乾燥による悪影響とその対策について詳しく解説します

お口の中の乾燥は、単に不快なだけでなく、さまざまな健康上の悪影響を引き起こす可能性があります。

唾液には、お口の中の健康を保つための重要な働きがたくさんあり、その分泌量が減ると、これらの働きが低下してしまうためです。

⭐唾液の重要な働き

・自浄作用: 食べかすや細菌を洗い流し、お口の中を清潔に保ちます。

・抗菌・殺菌作用: 細菌の繁殖を抑え、感染症を予防します。

・緩衝作用: 食後に酸性に傾いたお口の中を中和し、歯の脱灰(ミネラルが溶け出すこと)を防ぎます。

・再石灰化促進作用: 溶け出した歯のミネラルを元に戻し、歯を修復します。

・粘膜保護・潤滑作用: 舌や粘膜を潤し、摩擦による傷を防ぎます。

・味覚への影響: 味を感じる「味蕾」に味物質を届け、味を正しく感じるのを助けます。

【お口の乾燥が引き起こす具体的な悪影響】

​1. むし歯・歯周病リスクの上昇

​唾液の自浄作用や抗菌作用が低下するため、お口の中の細菌が繁殖しやすくなります。これにより、むし歯菌や歯周病菌が増加し、むし歯や歯周病が進行しやすくなります。特に、再石灰化作用が働かなくなるため、歯が溶けやすく、もろくなります。

​2. 口臭の悪化

​細菌の繁殖が活発になることで、口臭の原因となる物質がたくさん作られます。

また、食べかすなどが洗い流されずに残るため、ガスが発生しさらに口臭が悪化します。

​3. 食事や会話の困難

・嚥下(えんげ)障害: 唾液が少ないと、食べ物がうまくまとまらず、飲み込みにくくなります。特に、パサパサした食べ物や乾いたものが飲み込みにくく、食事にストレスを感じるようになります。

・誤嚥性肺炎: 高齢者の場合、飲み込んだ食べ物や細菌が誤って気管に入り、誤嚥性肺炎を引き起こすリスクが高まります。

・会話・発音の困難: 舌や唇の動きがスムーズでなくなり、話しにくくなったり、発音が不明瞭になったりすることがあります。

​4. 味覚障害

​唾液が不足すると、味を感じる「味蕾」に味物質が届きにくくなるため、味が薄く感じられたり、味覚に異常をきたしたりすることがあります。

​5. 口内炎や舌の痛み

​お口の中が乾燥すると、舌や頬の粘膜の潤いがなくなり、摩擦による傷ができやすくなります。これにより、舌がヒリヒリと痛んだり、ひび割れたり、口内炎ができやすくなります。

​6. 口腔カンジダ症

​口腔内が乾燥すると、通常は唾液によって抑制されている真菌(カビ)であるカンジダが増殖しやすくなり、口腔カンジダ症を発症することがあります。

舌や頬の粘膜に白い斑点ができたり、痛みを伴ったりします。

​お口の中の乾燥は、単なる不快感にとどまらず、むし歯や歯周病、口臭の悪化、食事や会話の困難、味覚障害、感染症など、多岐にわたる悪影響を及ぼします。

長期にわたる乾燥がある場合は、単なる「喉が渇いた」状態ではなく、「ドライマウス(口腔乾燥症)」という病気の可能性も考えられます。

​これらの症状が続く場合は、歯科医院を受診し、適切な診断と治療を受けることが大切です。

1. ドライマウスとは

ドライマウスは 唾液の分泌量が減少 し、または 唾液の質が変化 することで、口の中が乾いた状態を指します。医学的には「口腔乾燥症」と呼ばれます。

2. 主な原因

(1) 唾液腺そのものの異常

・加齢:唾液腺組織が萎縮しやすくなる

・シェーグレン症候群:自己免疫疾患で唾液腺が破壊される

・放射線治療(頭頸部):唾液腺が障害される

(2) 薬の副作用

・抗うつ薬・抗不安薬

・抗ヒスタミン薬(花粉症・アレルギー治療薬)

・降圧薬(利尿薬・β遮断薬など)

・睡眠薬、鎮痛薬

(3) 全身的な要因

・糖尿病(高血糖による脱水・唾液分泌低下)

・脱水(発熱、下痢、十分な水分摂取不足)

・更年期障害(女性ホルモン減少による影響)

・精神的ストレスや緊張(交感神経優位で唾液分泌低下)

3. 主な症状

・口の中の乾燥、ねばつき

・水分を頻繁に欲する(特に夜間)

・舌や粘膜の痛み、ヒリヒリ感

・味覚の変化(味がわかりにくい)

・義歯が安定しにくい

・話しにくい

・食べにくい(パンや乾物などが飲み込みづらい)

4. ドライマウスによるリスク

・虫歯(特に根面う蝕):唾液の自浄作用が低下

・歯周病:細菌増殖しやすい

・口臭:細菌由来の揮発性硫黄化合物が増加

・口内炎:乾燥で粘膜が傷つきやすい

・誤嚥性肺炎:唾液不足により細菌を飲み込みやすくなる

5. 【治療・対策】

(1) 生活習慣の改善

・水分をこまめに摂る(カフェイン・アルコールは避ける)

・唾液腺マッサージ(耳下腺・顎下腺を刺激)

・よく噛んで食べる(ガム、乾きにくい食材)

・禁煙

(2) 医療的対応

・原因薬の調整(主治医と相談)

・人工唾液(スプレー・ジェル)

・口腔保湿剤(ジェル・リンス)

・シェーグレン症候群などが疑われる場合 → 膠原病科/リウマチ科紹介

(3) 歯科医院専用品の活用

👉保湿ジェル(例:バイオティーン、オーラルバランス)

👉保湿リンス(モイスチャー系マウスウォッシュ)

👉低刺激・保湿性の高い歯磨剤(ラクトフェリン・フッ素配合など)

6. 歯科での関わり

・唾液量・唾液緩衝能の検査

・口腔乾燥の程度チェック(ガーゼテストなど)

・虫歯・歯周病のリスク評価

・保湿剤・リンスの処方指導

👉ドライマウス対策に役立つ歯科医院専売のセルフケア用品を中心にまとめます。

1. 保湿ジェル・保湿スプレー

乾燥をやわらげ、粘膜を保護してくれる基本アイテムです。

⭐オーラルバランスジェル(ライオン/GC)

・ヒアルロン酸や酵素が配合され、粘膜を保湿

・就寝前や義歯下に塗布すると効果的

⭐バイオティーンオーラルバランスジェル

・米国発のドライマウス対策定番

・粘度があり、長時間うるおいを保持

⭐モイスチャージェル(サンスター)

・低刺激、マイルドな味

・口腔粘膜が敏感な人にも使いやすい

⭐リフレケアジェル

・医療現場で高齢者や介護施設でも使用される

・マイルドな甘みがあり使いやすい

2. 保湿マウスリンス

乾燥でネバつくときや就寝前のうがいに有効。アルコール無添加タイプを選ぶのが基本です。

👉バイオティーンマウスウォッシュ

・刺激が少なく、長時間うるおいを保つ

・口臭予防にも効果

👉モイスチャーリンス(サンスター)

・口腔乾燥の患者向けに設計

・日中のうるおい補給に最適

3. 歯磨剤(ドライマウス対応)

普通の歯磨き粉は清涼感が強すぎたり、発泡剤で乾燥を悪化させることがあります。

⭐バイオティーントゥースペースト

・ラウリル硫酸ナトリウム(発泡剤)不使用

・フッ素配合で虫歯予防効果あり

⭐チェックアップ(ライオン)シリーズ/ドライマウス向け

・低発泡・低刺激

・フッ素高濃度で根面う蝕予防に有効

⭐TePe(テペ)ドライマウス用ジェル(海外で有名、日本でも一部歯科で取扱)

・保湿とフッ素補給を両立

4. サポート用品

〇キシリトールガム/タブレット(歯科専売品)

・噛むことで唾液腺刺激+虫歯予防

・ノンシュガー、再石灰化効果あり

〇唾液腺マッサージジェル

・マッサージと一緒に使用することで保湿効果UP

5. 使用上のコツ

👉日中 → スプレー・リンスで手軽にうるおい補給

👉就寝前 → ジェルを粘膜や義歯に塗布し、長時間保湿

👉歯磨き → 低刺激・保湿タイプを選び、磨いた後に保湿剤を併用

💡 【まとめ】

日常の水分補給+唾液腺マッサージに加えて、

「昼はスプレーやリンス、夜はジェル」の併用が最も効果的です。

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