⭐セラミック矯正について大切なお話
〜治療を選ぶ前に必ず知っておいてほしいこと〜
今回は、セラミック矯正を検討されている患者さまに向けて、 メリットだけでなくリスクや注意点を中心にお伝えします。
1.セラミック矯正とは何ですか?
セラミック矯正とは、 歯を動かす矯正治療ではなく、歯を削ってセラミックの被せ物で見た目を整える治療です。
✔ 短期間で歯並びが整ったように見える ✔ ワイヤー矯正のような装置は不要
一方で、歯の健康や将来に影響する重要なリスクがあります。
2.「矯正治療」とは根本的に違います
歯列矯正は → 歯を少しずつ動かして、噛み合わせごと改善する治療
セラミック矯正は → 歯の位置はそのままで、形を人工的に整える治療
そのため、
☛噛み合わせに問題が残る場合がある
☛顎への負担が改善されない
☛矯正治療に比べ口腔清掃が困難になる
ということがあります。
3.健康な歯を大きく削る必要があります
セラミック矯正では、 健康な歯を大きく削る必要があります。
被せ物の場合:歯の約60〜70%を削ることもあります
☛一度削った歯は、元に戻りません
👉 歯の寿命が短くなる可能性があります。
4.神経(歯髄)を失うリスクがあります
歯を大きく削ることで、
☞治療後に強い痛みが出る
☞神経が弱ってしまう
将来、神経を取る治療(抜髄)が必要になる場合がある
☛神経を取った歯は、 割れやすく、寿命が短くなる傾向があります。
5.歯ぐきが下がる・歯周病のリスク
セラミックの縁は、歯ぐきの近くや中に設定されることが多く、
☞歯磨きが難しくなる
☞歯ぐきが炎症を起こしやすくなる
☞歯ぐきが下がり、境目が見えてくる
(矯正治療でも歯ぐきは下がります)
といった問題が、数年後に起こることがあります。
6.割れる・外れるリスクがあります
セラミックはとても硬い材料ですが、 衝撃や歯ぎしりに弱い面があります。
☞欠ける
☞割れる
☞外れる
といった場合、再治療が必要(自費)になります。
7.やり直しができない治療です
歯列矯正は、 「途中でやめる」「別の方法に変更する」ことが可能です。
しかし、セラミック矯正は 歯を削ってしまうため、元に戻すことができません。
👉 失敗しても後戻りできない治療です。
8.若い方ほど注意が必要です
若い方は
☞神経が大きい
☞歯が長く使われる
このため、 将来にわたる影響が非常に大きくなります。
特に20代・30代の方は、 慎重な判断が必要です。
9.セラミック矯正が検討される例外的なケース
以下のような場合に、 十分な説明と理解のもとで検討されることが必要です。
☞すでに大きな被せ物が入っている歯
☞歯の形の問題(小さい歯など)
☞高齢で矯正治療が難しい場合
※ 歯並びを整える目的での第一選択ではありません。
10.当院からの大切なお願い
😺歯は、一生使う大切な臓器です。
「早くきれいにしたい」というお気持ちはとても自然ですが、
● 歯を削らない治療はないか
● 矯正治療で対応できないか
● 将来のリスクを理解できているか
を、ぜひ一緒に考えさせてください。
【まとめ】
☛セラミック矯正は歯を削る治療
☛見た目は早く整うが、将来のリスクが大き
い
☛元に戻せない不可逆的治療
☛矯正治療とは本質的に異なる
十分に理解した上で選択することが何より重要です。


