マウスピース矯正について大切なお話
マウスピース矯正(アライナー矯正)は、透明で目立ちにくいことから人気のある矯正治療です。
しかし、「見えにくい=簡単・安全」というわけではありません。
ここでは、治療を始める前に必ず知っておいていただきたい大切なポイントとリスクをご説明します。
マウスピース矯正とは?
透明な取り外し式の装置で歯を少しずつ動かします
約1〜2週間ごとに新しいマウスピースへ交換します
1日 20〜22時間以上の装着 が必要です
【マウスピース矯正のメリット】
☞装置が目立ちにくい
☞取り外して歯みがきができる
☞食事の制限が少ない
☞金属アレルギーの心配が少ない
【知っておいていただきたい主なリスク】
① 適応できない歯並びがあります
マウスピース矯正は、すべての歯並びに適しているわけではありません。
適応が難しい例
☞歯のガタつきが非常に強い
☞抜歯が必要な矯正
☞骨格が原因の出っ歯・受け口
無理に行うと、歯が思うように動かない・治療が長引くことがあります。
② 装着時間が足りないと治療が進みません
装着時間が短いと歯は動きません
マウスピースが合わなくなることがあります
▶ 成功のカギは 患者さまご自身の協力度です。
③ 虫歯・歯周病のリスク
マウスピース内は汚れがたまりやすい環境です
歯みがきをせずに装着すると虫歯になりやすくなります
⚠ 食後は必ず歯みがきをしてから装着してください
④ 噛み合わせが不安定になることがあります
前歯は並んだが奥歯が噛まない
噛みにくさを感じる
必要に応じて、
追加のマウスピース
ワイヤー矯正の併用
を行うことがあります。
⑤ 痛みや違和感があります
新しいマウスピース交換直後に痛みを感じることがあります
多くは数日で軽減します
※ 痛みが強い場合はご相談ください
⑥ 紛失・破損のリスク
外食時に誤って捨ててしまう
ペットが噛む
熱で変形する
▶ 専用ケースでの保管を必ず行いましょう
【マウスピース矯正が向いている方】
装着時間を守れる
歯みがきを丁寧に行える
軽度〜中等度の歯並びの乱れ
定期通院が可能
向いていない可能性がある方
装着時間を守る自信がない
重度の歯周病がある
大きく歯を動かす必要がある
※ 他の矯正方法が適している場合があります
安心して治療を受けるために
マウスピース矯正は、
正確な診断
定期的なチェック
患者さまの協力
この3つが揃って、初めて安全で満足のいく結果につながります。
不安な点・疑問点は、遠慮なくSHIRON DENTAL OFFICEまでご相談ください。
最後に
「目立たない」ことよりも、 「安全で長く使える歯並び」を大切にしましょう。
当院では、患者さま一人ひとりに最適な治療方法をご提案いたします。
マウスピース矯正(アライナー矯正)のリスクについて、
マウスピース矯正のリスク
1️⃣ 適応症が限られるという根本的リスク
問題点
マウスピース矯正は 万能ではありません。
苦手な症例
重度の叢生(ガタガタ)
大きな抜歯症例
骨格性不正咬合(出っ歯・受け口など)
垂直的な咬合コントロールが必要な症例
リスク
無理に適応すると
→ 歯が計画通り動かない
→ 治療期間が延びる
→ 最終的にワイヤー矯正へ変更
📌「マウスピースでできる症例かどうか」の診断が最重要です。
2️⃣ 装着時間不足による治療失敗
基本ルール
1日20〜22時間以上の装着が必須
現実的問題
食事のたびに外す
仕事・会話・外出で外す
就寝時のみ装着
リスク
歯が動かない
マウスピースが合わなくなる
再スキャン・再製作が必要
👉 自己管理ができないと成立しない治療です。
3️⃣ 「見えない=楽」という誤解
誤解されやすい点
痛くない
何もしなくてよい
勝手に歯が並ぶ
実際は
歯は確実に動いており痛みは出る
自己管理の負担はむしろ大きい
通院・調整・指示遵守が不可欠
📌 「楽な矯正」ではありません
4️⃣ 歯の動きの精度に限界がある
苦手な動き
歯の回転
歯根の平行移動
大きな挺出・圧下
咬合の微調整
結果
前歯は並んだが奥歯が噛まない
見た目は良いが機能が不十分
咬合の仕上がりが甘くなる
👉 最終仕上げにワイヤー併用が必要になることも
5️⃣ 噛み合わせが浅くなるリスク(開咬傾向)
原因
マウスピースが上下の歯を覆う
咬合刺激が減少
結果
奥歯が噛まなくなる
前歯だけ当たる
食事がしづらい
📉 特に もともと開咬傾向のある方は要注意
6️⃣ 歯周病患者ではリスクが高まる
理由
歯を覆うためプラークが停滞しやすい
清掃不良に気づきにくい
リスク
歯肉炎の悪化
歯の動揺
歯槽骨吸収の進行
👉 歯周病が安定していない場合は原則不適応
7️⃣ 虫歯リスクの増加
特有の問題
マウスピース内が密閉環境
唾液の自浄作用が低下
悪循環
間食 → 歯磨き不十分 → 装着
マウスピース内で脱灰進行
📌 食後の歯磨きができない人は危険
8️⃣ 歯根吸収のリスク
共通リスクだが…
矯正全般に存在
マウスピースは 力の管理が甘くなる場合あり
結果
歯根が短くなる
将来的な歯の寿命低下
👉 定期的なレントゲン管理が不可欠
9️⃣ 紛失・破損リスク
実際によくある
外食時に紙ナプキンと一緒に廃棄
ペットが噛む
熱湯で変形
結果
治療中断
再製作費用
治療期間延長
🔟 医師・医院の管理体制による差が大きい
危険なケース
初回説明のみで放置
オンライン完結型
定期チェックなし
本来必要な管理
歯の動きの確認
咬合評価
必要に応じた計画修正
👉 「誰が管理するか」で結果が大きく変わる
歯科医療者の立場からの結論
マウスピース矯正は「優れた道具」だが、
「万能な矯正治療」ではない
正しい診断
厳密な管理
高い患者協力度
この3つが揃って初めて、安全で満足度の高い治療になります。


