⭐歯周外科とは?
歯周外科(ししゅうげか)は、歯周基本治療だけでは改善が困難な歯周病に対して、外科的に原因を除去し、歯周組織の健康回復や再生を目指す治療です。
歯周外科とは
― 歯周病治療の「第2段階」―
1.歯周外科の位置づけ
歯周治療は段階的に進みます。
① 歯周基本治療
② プラークコントロール
③ スケーリング・ルートプレーニング(SRP)
④ 咬合調整
⑤ 生活指導
⑥ 再評価
⑦ 歯周外科治療 ←ここ
⑧ メインテナンス(SPT)
👉 歯周外科は、原因療法を外科的に徹底する段階です。
2.なぜ歯周外科が必要なのか
〇非外科治療の限界
☞深い歯周ポケット(≥6mm)
☞複雑な根分岐部
☞歯根形態異常
☞骨欠損の存在
これらでは、 👉 器具が届かず、感染源が残る
3.歯周外科の主な目的
☞歯根面の確実な清掃
☞炎症組織の除去
☞歯周ポケットの減少
☞骨欠損形態の改善
☞清掃性の向上
☞歯の長期保存
4.歯周外科の主な種類
① フラップ手術(歯肉剥離掻爬術)
概要
歯肉を切開・剥離し、直視下で歯石や不良肉芽を除去する基本術式。
適応
5~7mm以上のポケット
SRP後も改善しない部位
特徴
最も基本
再生・切除の基礎となる
②歯周ポケット切除術
概要
余剰歯肉を切除し、ポケットを物理的に除去。
適応
骨吸収が少ない仮性ポケット
注意
審美性低下
知覚過敏
③ 歯周組織再生療法
失われた歯周組織を回復させる治療。
主な方法
・GTR(遮断膜)
・エムドゲイン®(EMD)
・骨補填材併用
適応
垂直性骨欠損
分岐部病変(Ⅱ度)
④ 根分岐部病変への外科
ルートセパレーション
ルートリセクション
トンネリング
⑤ 歯肉形成・歯肉弁根尖側移動術
ポケット除去
清掃性改善
⑥ 歯周形成外科(審美・機能)
結合組織移植(CTG)
遊離歯肉移植(FGG)
歯肉退縮の被覆
5.歯周外科の適応基準
適応あり
プラークコントロール良好
全身状態安定
治療への理解・協力
適応注意・禁忌
清掃不良
喫煙
糖尿病コントロール不良
強いブラキシズム
6.治療の流れ
歯周基本治療
再評価
術前説明・同意
局所麻酔
外科処置
縫合・保護
抜糸(7~10日)
再評価
SPT
7.メリット
☞深部感染の除去
☞歯周組織の改善
☞歯の延命
☞清掃しやすい口腔環境
8.デメリット・リスク
〇一般的リスク
☞術後疼痛
☞腫脹
☞出血
〇特有リスク
☞歯肉退縮
☞ブラックトライアングル
☞知覚過敏
☞再発
9.成功の鍵
歯周外科の成功は、
☞正確な診断
☞術式選択
☞術者技量
☞患者協力度
☞術後メンテナンス
👉 外科よりもその後が重要
10.エビデンスの要点
深いポケット(≥6mm)では
非外科+外科併用が最も予後良好
再生療法は
適切な欠損形態で高い効果
11.患者さんへのメッセージ
「歯を治す」より
「歯を残す治療」
外科=最後の手段ではない
メンテナンスを怠ると再発
12.まとめ
歯周外科は
歯周病治療における必須ステップ
非外科の限界を補完
再生・切除・形成の選択が重要
長期成功はSPTが左右する


