歯科治療におけるエアフロー(AIRFLOW®)とは
微細なパウダー・水・空気を同時に噴射して、歯やインプラント表面の汚れ(バイオフィルム)を効率よく除去する予防・メインテナンス用のクリーニングシステムです。
近年は「Guided Biofilm Therapy(GBT)」の中核として注目されています。
1️⃣ エアフローとは何をする機器?
エアフローは以下の3要素を同時に噴射します。
1.圧縮空気
2.水
3.微粒子パウダー
これにより、
・プラーク(バイオフィルム)
・着色汚れ(ステイン)
・軽度の歯石(※条件付き)
を歯や歯肉を傷つけにくく除去します。
2️⃣ 従来のPMTC・スケーリングとの違い
〇主な目的
エアフロー バイオフィルム除去
従来の器具 歯石除去
〇痛み
エアフロー 非常に少ない
従来の器具 出ることがある
〇歯面への侵襲
エアフロー 低侵襲
従来の器具 器具接触による傷の可能性
〇インプラント
エアフロー 安全に使用可能
従来の器具 器具制限あり
〇清掃効率
エアフロー 非常に高い
従来の器具 術者依存が大きい
3️⃣ 使用されるパウダーの種類と特徴
① グリシンパウダー
粒子が非常に細かい
歯肉縁下(浅いポケット)まで使用可能
知覚過敏が起こりにくい
② エリスリトールパウダー
グリシンよりさらに微細
歯周病原因菌に対する抑制効果
GBTで最も推奨されるパウダー
③ 炭酸水素ナトリウム(重曹)
清掃力は高い
粒子が粗く現在は歯肉縁下には非推奨
主に着色除去向け
4️⃣ 歯科治療での主な適応
☞定期メインテナンス
☞歯周病初期〜中等度
☞インプラント周囲炎の予防
☞矯正装置装着中の清掃
☞セラミック・レジン修復物の清掃
☞着色除去(コーヒー・紅茶・タバコなど)
5️⃣ エアフローのメリット
✔ 患者さんのメリット
痛み・不快感が少ない
処置時間が短い
ツルツル感が長く続く
麻酔不要なケースが多い
✔ 歯・歯周組織へのメリット
歯面を傷つけにくい
バイオフィルムを選択的に除去
インプラント表面を損傷しにくい
6️⃣ 注意点・デメリット
☞歯石は完全には取れない → 超音波スケーラーとの併用が必要
☞重度歯周病では単独使用不可
☞パウダー吸入防止のための適切なバキュームが必要
☞ナトリウム制限が必要な患者(重曹使用時)
7️⃣ GBT(Guided Biofilm Therapy)との関係
GBTでは、
☞バイオフィルム染色
☞エアフローで可視化部位のみ除去
☞必要最小限のスケーリング
☞再評価・指導
という科学的根拠に基づく最小侵襲治療を行います。
エアフローはこの中心的役割を担います。
8️⃣ どんな方に特におすすめ?
☞定期的にメインテナンスを受けている方
☞☞痛みに弱い方
☞インプラント・セラミックが多い方
☞着色が気になる方
☞歯周病予防を重視したい方
まとめ
エアフローは「削らず・傷つけず・確実にバイオフィルムを除去する」現代歯科のスタンダードな予防処置です。
従来の「歯石を取る」治療から、「病気の原因を除去する」治療への大きな転換点と言えます。


