🦷 唾液緩衝能と亜鉛代謝の相関
〜なぜ「亜鉛不足=むし歯・口臭・ドライマウス悪化」なのか?〜
まず結論から。
✅ 超シンプルまとめ
👉 亜鉛が足りないと、唾液の「質」が落ちる
→ 酸を中和できない
→ むし歯・歯周病・口臭が増える
つまり
亜鉛=唾液を強くするミネラル です。
① そもそも「唾液緩衝能」って何?
👇
「お口の中が酸性になっても、元に戻してくれる中和の働きのことです」
食後の口の中
細菌が糖を分解 ↓
酸が作られる
↓
pH低下(脱灰開始 pH5.5以下)
↓
唾液が酸を中和(緩衝作用)
この 「酸を消す力=緩衝能」です
② 唾液の緩衝成分は何でできている?
主役はこの3つ
🧪 唾液の中和システム
1 重炭酸イオン(HCO₃⁻)
2 リン酸
3 タンパク質(酵素・ムチン)
これらを作るために
👉 酵素が必要
そして
👉 その酵素を働かせるのが「亜鉛」
ここがポイント
③ 亜鉛は何をしているの?
亜鉛は実は
「酵素のスイッチ役」
具体的に
亜鉛は
・炭酸脱水酵素(Carbonic anhydrase)
・抗酸化酵素(SOD)
・免疫酵素
・上皮修復酵素
これらの 補因子(cofactor)
⭐ 特に重要
炭酸脱水酵素
この酵素が
CO₂ + H₂O ⇄ HCO₃⁻(重炭酸)
を作る
つまり
👉 唾液緩衝能の中心物質「重炭酸」を作る酵素
そして
👉 この酵素は「亜鉛依存酵素」
です。
④ だから亜鉛不足になると?
【亜鉛不足】
↓ 炭酸脱水酵素 ↓
↓ 重炭酸産生 ↓
↓ 唾液緩衝能 ↓
↓ 口腔内が酸性に傾く ↓
脱灰↑
むし歯↑
歯周病↑
⑤ 臨床で起きる症状
亜鉛不足患者さん、こんな特徴ありませんか?
よく見るサイン
✔ 口臭が強い
✔ 口が乾く(ドライマウス)
✔ 舌炎・舌痛
✔ 味覚障害
✔ 口内炎が治りにくい
✔ むし歯が急増
✔ 歯周炎が治りにくい
実は全部
👉 唾液機能低下+免疫低下
が原因
⑥ さらに重要:亜鉛は抗菌作用もある
亜鉛には
・直接的抗菌作用
・プラーク形成抑制
・揮発性硫黄化合物(口臭)抑制
・細菌代謝抑制
つまり
亜鉛=「唾液の質 × 抗菌 × 修復」
3役こなす万能ミネラル
⑦ エビデンス的背景
研究で示されていること
・亜鉛不足 → 唾液分泌量低下
・亜鉛補充 → 緩衝能改善
・亜鉛配合歯磨剤 → 口臭減少・プラーク減少
・高齢者の低亜鉛血症 → 口腔機能低下症と相関
⑧ 患者さんへ
唾液はお口の中を守る“天然のうがい薬”です。
その中和パワーを作っているのが亜鉛というミネラルです。
亜鉛が不足すると、
・口が乾く
・むし歯が増える
・歯周病が治りにくい
・口臭が強くなる
といったトラブルが起こりやすくなります。
実は“歯だけの問題”ではなく、栄養も大切です。」
⑨ 歯科でできる実践アプローチ
✔ 唾液検査(緩衝能チェック)
✔ 食事指導
✔ 亜鉛摂取アドバイス
✔ 亜鉛配合歯磨剤
✔ 高齢者・妊婦・ベジタリアンは特に注意
【亜鉛が多い食品】
・牡蠣
・赤身肉
・レバー
・卵
・ナッツ
・チーズ
🎯 まとめ
唾液緩衝能 × 亜鉛の関係
亜鉛不足
↓
重炭酸産生↓
↓
唾液緩衝能↓
↓
酸性口腔
↓
むし歯・歯周病・口臭↑
👉 亜鉛は「唾液の質を決める鍵ミネラル」


