👉歯周病治療にエルビウムヤグレーザーが有効な理由とは
🌟エルビウムヤグレーザー(Er:YAGレーザー)は、歯周病治療において「人にもっともやさしいレーザー」とも言われ、その効果と特性から従来の治療を補完・代替する有効な手段として注目されています。
主な効果は、殺菌・消毒、歯石や炎症組織の除去、そして治癒の促進の3つに分けられます。
⭐エルビウムヤグレーザーの歯周治療に対する効果
1. 歯周病の原因の徹底的な除去と殺菌
エルビウムヤグレーザーは、水への吸収性が非常に高いという特性があります。
人体組織には水分が多く含まれるため、レーザーを照射するとその水分に反応し、瞬時に蒸発させて組織を切削・蒸散します。
歯石・歯垢の除去(硬組織の蒸散):
歯科用レーザーの中で唯一、歯石(硬組織)の除去が認められているレーザーです。
歯周ポケットの奥深くにある歯石や、歯の表面にこびりついた歯垢(プラーク)を選択的に蒸散し、取り除きます。
炎症性肉芽組織の除去(軟組織の蒸散):
歯周病で炎症を起こし、腫れぼったくなった歯肉の奥にある不良肉芽(炎症を起こしている組織)を効率的に蒸散し、除去します。
強力な殺菌・消毒効果:
レーザーが届きにくい歯周ポケットの奥深くまで光や熱が到達し、歯周病の原因菌を死滅(殺菌・消毒)させ、原因となる毒素を無毒化します。
2. 患者さんの負担軽減と痛みの抑制
このレーザーは水分に強く吸収されるため、照射された部分の表面でエネルギーが集中し、周囲や深部への熱の伝わりが非常に少ないです。
また、通常は水を噴射しながら治療を行うため、発熱が抑えられ、患者さんの負担が少ないのが特徴です。
痛みの軽減と麻酔の使用頻度の減少:
熱の発生が少ないため、従来の切削器具(ドリル)のような不快な「キーン」という音や振動がなく、痛みがほとんど伴わないため、多くの場合で注射による麻酔を必要としません。
出血の抑制と治癒の促進:
切開と同時に止血や殺菌を行うため、出血が少なく、傷口の回復を促す作用(生体刺激作用)もあり、治癒が早い傾向にあります。
3. 健康な歯周組織の温存
健康な歯へのダメージが少ない:
病的な部分だけにピンポイントで作用するため、健康な歯や歯肉組織を傷つけにくいです。
歯肉退縮のリスク軽減:
複雑な形状の歯周ポケットにも対応し、従来の器具による治療と比べ、歯肉が下がる(歯肉退縮)リスクを小さくすることができます。
☺️治療のイメージ
エルビウムヤグレーザーによる歯周病治療は、主に歯周ポケットの中にレーザーのチップを入れて照射し、水分の蒸散(微小爆発)を利用して歯石や不良肉芽を吹き飛ばし、同時に殺菌を行うというイメージです。
これにより、歯周ポケットがきれいになり、炎症が治まることで、歯肉が引き締まり、歯周病の進行を抑えることができます。


