口腔内スキャナー(IOS:Intraoral Scanner)Q&A集
【基礎編】
- 口腔内スキャナーとは何ですか?
- 口の中をカメラで撮影し、歯や歯ぐきの形を3Dデータとして記録する装置です。
- 従来の型取りと何が違いますか?
- 粘土状の材料を使わず、デジタルデータで型取りします。
- 痛みや不快感はありますか?
- ほとんどありませんが、小帯や粘膜に当たって痛みがある場合もあります。嘔吐反射は、起こりにくいです。
- すべての歯科医院にありますか?
- まだ導入していない医院も多いです。
- IOSは新しい技術ですか?
- はい。ここ10数年で急速に普及しました。
【精度・信頼性】
- IOSの精度は信頼できますか?
- 多くの研究で従来印象と同等、またはそれ以上と報告されています。
- どんな条件で精度が落ちますか?
-
唾液・出血
深い歯肉縁下マージン
金属反射
- 全顎スキャンは正確ですか?
- 単歯・部分欠損より難易度は高いです。
- 印象材の変形は起こりますか?
- 起こりません(データのため)
- 再現性は高いですか?
- 高いですが、術者の操作が影響します。
【臨床操作編】
- スキャン前に重要な準備は?
- 防湿
歯肉圧排
表面清掃
- 歯肉縁下マージンはスキャンできますか?
- 条件次第で可能ですが、従来印象が有利な場合もあります。
- スキャン時間はどれくらい?
- 単歯で数分、全顎で10分前後が一般的です。
- スキャンが苦手な部位は?
- 臼歯遠心、深い隣接面です。
- スキャン中に失敗したら?
- その部分だけ撮り直しできます。
【補綴治療での活用】
- クラウン・インレーに使えますか?
- はい。現在の主流の用途です。
- セラミック修復と相性は良いですか?
- 非常に良いです。
- ジルコニアにも対応していますか?
- はい。対応可能です。
- 仮歯の作製に使えますか?
- 可能です(即時仮歯)。
- マージンの精度は十分ですか?
- 条件が整えば高精度です。
【矯正・その他応用】
- マウスピース矯正に使えますか?
- はい。必須の技術です。
- 矯正の経過観察に使えますか?
- はい。重ね合わせ比較が可能です。
- 入れ歯にも使えますか?
- 部分的には可能ですが、総義歯では課題があります。
- インプラントにも使えますか?
- はい。スキャンボディを使用します。
- 咬合採得はできますか?
- デジタル咬合採得が可能です。
【技工・デジタル連携】
- 技工所とのやり取りはどうなりますか?
- データを即時送信できます。
- 再製作は簡単ですか?
- データが残るため非常に容易です。
- アナログより有利な点は?
- 変形なし
保管不要
共有が簡単
- 技工士の作業は変わりますか?
- はい。デジタル設計(CAD)が中心になります。
- チェアタイムは短縮されますか?
- 多くの場合短縮されます。
【患者さんへのメリット】
- 患者の一番のメリットは?
- 楽で、早く、分かりやすいことです。
- 嘔吐反射が強くても大丈夫?
- はい。負担が軽いです。
- 説明に使えますか?
- はい。3D画像で視覚的説明が可能です。
- 治療の精度は上がりますか?
- 条件次第ですが、安定しやすくなります。
- 費用は上がりますか?
- 必ずしも上がるわけではありません。
【注意点・限界】
- IOSにも欠点はありますか?
- はい。万能ではありません。
- 従来印象が優れる場面は?
- 深い歯肉縁下
出血がある場合
全顎床義歯
- 金属の反射は問題ですか?
- 一部機種では影響します。
- 機種による差はありますか?
- はい。操作性・精度に差があります。
- 導入コストは高いですか?
- 高額ですが、効率化のメリットがあります。
【トラブル・よくある質問】
- スキャンデータは消えませんか?
- バックアップ管理が重要です。
- データの保存期間は?
- 医院方針によります。
- スキャンが苦手な患者はいますか?
- 開口困難な方では難しい場合があります。
- IOSだけで治療は完結しますか?
- 症例によります。
- 保険診療でも使えますか?
- 一部で使用可能です(条件あり)。
- 型取りがなくなるのですか?
- 多くの場合、なくなります。
- 写真を撮られる感じですか?
- はい。動画撮影のようなイメージです。
- 放射線は出ますか?
- 出ません。
- 時間は短くなりますか?
- 多くの場合短縮されます。
- 安全ですか?
- はい。安全な検査です。
【総合・考え方】
- IOSは今後主流になりますか?
- はい。すでに主流になりつつあります。
- アナログは不要になりますか?
- いいえ。使い分けが重要です。
- IOS導入で治療はどう変わりますか?
- より見える・共有できる治療になります。
- 成功の鍵は?
- 適応判断
防湿
術者トレーニング
- 患者満足度は上がりますか?
- 多くの医院で向上しています。
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