急性化膿性根尖性歯周炎(きゅうせい かのうせい こんせんせい ししゅうえん)とは?
急性化膿性根尖性歯周炎とは、歯の根の先に細菌感染が広がり、強い炎症と膿(うみ)がたまった状態のことです。
簡単に言うと、「歯の神経がダメになり、そのばい菌が歯の根の先まで進んでしまった病気」です。
この状態になると、
☞噛むと激しく痛い
☞歯が浮いたような感じがする
☞何もしていなくてもズキズキ痛む
☞歯ぐきや頬が腫れる
といった、つらい症状が出やすくなります。
なぜこの病気が起こるのですか?
一番多い原因は、むし歯の放置です。
むし歯が深くなると、歯の中にある「神経(歯髄)」にばい菌が入り込みます。
そのまま治療をせずにいると、神経は死んでしまい、歯の中がばい菌のすみかになります。
すると、そのばい菌が歯の根の先から外へ出て、歯を支えている骨や歯ぐきに炎症を起こすようになります。
これが、急性化膿性根尖性歯周炎です。
また、
以前に、神経を取った歯
根の治療をしたが完全ではなかった歯
被せ物のすき間からばい菌が入った歯
でも起こることがあります。
どうしてこんなに痛いのですか?
歯の根の先は、骨や歯ぐきに囲まれた逃げ場のない場所です。
そこに炎症や膿がたまると、内側から強く圧迫されるため、
噛むとズキッとする
脈打つような痛みが出る
夜になると痛みが増す
といった、強い痛みが起こります。
これは、体が出している危険信号です。
〇放っておくとどうなりますか?
残念ながら、自然に治ることはありません。
一時的に痛みが引くことがありますが、それは
☞膿が外に逃げただけ
☞神経が完全に死んで感覚がなくなっただけ
というケースがほとんどです。
治療をしないままでいると、
☞歯ぐきに膿の出口(ニキビのようなもの)ができる
☞顔が大きく腫れる
☞発熱や全身のだるさが出る
最悪の場合、入院が必要な感染症に進む
こともあります。
〇どんな治療をするのですか?
治療の一番の目的は、
「ばい菌の元を取り除くこと」です。
主に次のような治療を行います。
① 根の治療(根管治療)
歯の中をきれいに掃除し、ばい菌を取り除きます。
その後、再びばい菌が入らないように、根の中をしっかり封鎖します。
② 膿を出す処置(応急処置)
痛みや腫れが強い場合は、まず膿を出して楽にします。
これだけで痛みがかなり軽くなることもあります。
③ 抗生物質(必要な場合のみ)
腫れや発熱が強いときに補助的に使いますが、
お薬だけでは治りません。
④ 抜歯
歯を残せないほど状態が悪い場合は、抜歯が必要になることもあります。
〇痛みが引いたら治ったということですか?
いいえ、治ったわけではありません。
痛みがなくなっても、
☞根の中にばい菌が残っている
☞炎症の原因が取り除かれていない
ことが多く、治療を途中でやめると再発します。
最後まで根の治療を完了することがとても大切です。
〇ちゃんと治せば、歯は使えますか?
はい。
早めに適切な治療をすれば、歯を残して使い続けられる可能性は十分あります。
ただし、治療が遅れるほど、
☞歯を失うリスク
☞治療回数や期間
☞負担や費用
は大きくなってしまいます。
⭐予防するために大切なこと
この病気を防ぐために重要なのは、
☞むし歯を放置しない
☞定期的に歯科検診を受ける
☞被せ物・詰め物のチェックをする
☞「痛くないから大丈夫」と思わない
ということです。
⭐最後に一番伝えたいこと
噛むと強く痛い歯、ズキズキする歯は、体からの「早く治して」というサインです。
我慢したり、様子を見たりせず、
早めに歯科を受診することが、ご自身の歯を守る一番の近道です。
お忙しい方は受診が遅れがちになりますが、早く受診することが歯を治す最短(期間や回数を少なくできる)の方法となります。


