お口の中のバイオフィルムについてQ&A
【基礎編】バイオフィルムとは?
- お口の中のバイオフィルムとは何ですか?
- バイオフィルムとは、細菌が自分たちを守るために作る「ネバネバした膜」のことです。歯の表面、歯ぐきの溝、舌、入れ歯、インプラントの周囲など、さまざまな場所に付着します。
- 歯垢(プラーク)とバイオフィルムは同じですか?
- 歯垢はバイオフィルムの一種です。歯垢は単なる汚れではなく、細菌の集合体=成熟したバイオフィルムと考えられています。
- なぜ「膜」を作るのですか?
- 細菌は、・唾液
・抗菌薬
・うがい薬
などの外部刺激から身を守るために、バイオフィルムというバリアを作ります。
- バイオフィルムの中では何が起きていますか?
- 細菌同士が情報を共有し、「共同体(コミュニティ)」として行動します。そのため、単独の細菌よりも非常にしぶとくなります。
【特徴編】なぜ厄介なの?
- バイオフィルムは簡単に落とせますか?
- いいえ。一度形成されると、うがいや抗菌薬ではほとんど除去できません。物理的な清掃が必要です。
- 抗生物質が効きにくいのはなぜですか?
- バイオフィルムが細菌を包み込み、薬が内部まで届きにくくなるためです。
【影響①】むし歯との関係
- バイオフィルムはむし歯とどう関係しますか?
- バイオフィルム内のミュータンス菌などが糖を分解し、酸を産生します。その酸が歯を溶かし、むし歯が発生します。
- 甘い物を食べるとむし歯になるのはなぜですか?
- 糖分がバイオフィルム中の細菌のエサになり、酸が大量に作られるためです。
【影響②】歯周病との関係
- 歯周病もバイオフィルムが原因ですか?
- はい。歯と歯ぐきの境目にできたバイオフィルムには、歯周病菌(嫌気性菌)が多く存在します。
- 歯周病菌は何をしますか?
- 毒素を出して歯ぐきに炎症を起こし、進行すると歯を支える骨を溶かします。
【影響③】口臭との関係
- 口臭の原因にもなりますか?
- はい。バイオフィルム内の細菌がタンパク質を分解し、硫黄化合物(腐った卵のような臭い)を発生させます。
- 舌の汚れも関係しますか?
- はい。舌の表面にもバイオフィルムが形成され、強い口臭の原因になります。
【影響④】全身疾患との関係
- お口のバイオフィルムは全身にも影響しますか?
- 近年の研究で、口腔内細菌が血流に入り、全身疾患と関係することが分かっています。
- 関係が指摘されている病気は?
- ・糖尿病
・心筋梗塞
・脳梗塞
・誤嚥性肺炎
・早産・低体重児出産
- なぜ全身に影響するのですか?
- 歯ぐきの炎症部位から細菌や炎症物質が血管内に入り、全身に広がるためです。
【歯科との関わり】どう対処する?
- 歯科医院では何ができますか?
- ・スケーリング(歯石・バイオフィルム除去)
・PMTC(専門的クリーニング)
これらでバイオフィルムを物理的に破壊・除去します。
- レーザー治療は有効ですか?
- はい。エルビウムヤグレーザーなどは、バイオフィルムを破壊し、歯周ポケット内の殺菌に効果があります。
- うがい薬だけでは不十分ですか?
- はい。うがい薬は細菌数を一時的に減らしますが、バイオフィルムそのものを全て溶かす力はありません。
【セルフケア編】家庭でできること
- 歯ブラシだけで十分ですか?
- 不十分です。歯ブラシだけでは落とせない部位が多くあります。
- 併用すべき清掃器具は?
- ・デンタルフロス
・歯間ブラシ
・舌ブラシ
・電動歯ブラシ
を正しく使うことが重要です。
- 毎日ケアしても歯科に通う必要はありますか?
- はい。家庭のケアでは落としきれないバイオフィルムが必ず残るためです。
【よくある誤解】
- 見えないなら問題ないですか?
- いいえ。バイオフィルムは「見えない敵」で、症状が出る頃には進行していることが多いです。
- 痛みがなければ大丈夫ですか?
- 痛みがなくても、バイオフィルムは静かに病気を進行させます。
- バイオフィルムは何が問題なのですか?
- ・むし歯
・歯周病
・口臭
・全身疾患
の原因になる点です。
- 最も大切な対策は?
- ✅ 毎日の正しいセルフケア
✅ 歯科医院での定期的な専門的クリーニング
この両輪が不可欠です。
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