渋谷区恵比寿の歯科医院|SHIRON DENTAL OFFICE(シロンデンタルオフィス)

「歯科治療で用いるMTA(Mineral Trioxide Aggregate)についてのQ&A」

【総論編】MTAとは何か

MTAとはどのような材料ですか?
MTA(Mineral Trioxide Aggregate)は、1990年代にTorabinejadらによって開発された歯科用材料で、主に歯内療法(根管治療・歯髄保存治療)に使用されます。生体親和性・封鎖性・抗菌性に非常に優れた材料です。
なぜMTAは「優れた材料」と言われるのですか?
高い生体親和性、強力な封鎖性、硬組織形成能(バイオアクティビティ)を兼ね備え、歯を抜かずに保存できる可能性を大きく高めるからです。
MTAはどの分野で主に使われますか?
歯内療法(歯髄温存療法・穿孔修復・逆根管充填・根尖形成など)が中心です。

【基礎科学編】主成分と化学的特徴

MTAの主成分は何ですか?
主成分は以下の通りです。 三酸化カルシウム(Tricalcium Silicate) 二酸化カルシウム(Dicalcium Silicate) 酸化ケイ素(Silicon oxide) 造影剤(Bismuth oxide など)
なぜ造影剤が入っているのですか?
X線写真で材料の位置を確認するためです。近年は変色リスクを抑えたタンタル酸塩系造影剤を用いる製品も登場しています。
MTAはどのように硬化しますか?
水と反応する水和反応により硬化し、水酸化カルシウム(Ca(OH)₂)を放出します。
硬化後のpHはどのくらいですか?
約12.5の強アルカリ性となり、抗菌性を発揮します。
湿潤環境でも使えるのはなぜですか?
水和反応で硬化するため、血液や体液が存在する環境でも性能を発揮します。

【生体学的特性編】MTA最大の特徴

MTAの最大の特徴は何ですか?
高い生体親和性と硬組織誘導能です。
歯髄に対する影響はどうですか?
歯髄刺激が非常に少なく、治癒や石灰化を促進します。
抗菌作用はありますか?
はい。pH12.5の強アルカリにより嫌気性菌に対して強い抗菌作用を示します。
封鎖性が高いとはどういう意味ですか?
マイクロリーケージ(細菌や体液の侵入)を極めて低く抑える性能があります。
硬組織形成とは何ですか?
セメント質や石灰化組織の形成を誘導する能力のことです。

【臨床応用編①】歯髄保存療法

直接覆髄にMTAは使われますか?
はい。露髄部を保護し、生活歯髄を保存するために最適です。
直接覆髄の成功率はどのくらいですか?
80〜95%と高い成功率が報告されています。
Ca(OH)₂と比べて何が違いますか?
石灰化ブリッジが安定して形成され、再露髄が少ない点が優れています。
部分断髄(Cvek pulpotomy)にも使えますか?
はい。特に若年永久歯や外傷歯で有効です。

【臨床応用編②】穿孔修復・外科的歯内療法

穿孔部封鎖にMTAが使われる理由は?
封鎖性と生体活性が非常に高く、治癒を促進するためです。
穿孔修復のゴールドスタンダードと言われるのはなぜですか?
成功率が高く、他材料より長期予後が良好だからです。
逆根管充填にも使用されますか?
はい。根尖切除後の逆根管充填材料として最も信頼されています。
逆根管充填の成功率は?
約90%以上と報告されています。

【臨床応用編③】根尖形成・根管充填

根尖形成(Apexification)にMTAは有効ですか?
非常に有効で、即日で根尖バリアを形成できます。
Ca(OH)₂法との違いは?
治療期間が数ヶ月〜1年から、1回または短期間に大幅短縮されます。
なぜ根管充填にMTAが使われることがあるのですか?
GP(ガッタパーチャ)では封鎖困難な症例で、より高い成功率が得られるためです。現在、根管充填でMTAシーラーを用いる場合、GP(ガッタパーチャ)は、MTAシーラ—の補助的役割と考えられています。
MTA根管充填が特に有効な症例は?
根尖開大歯(Open apex) 根尖穿孔 インターナルリゾープション 根尖外科後 GPが押し出されやすい症例
MTA apical plugとは何ですか?
根尖部にMTAで5mm程度のバリアを作り、その後GPで充填する方法です。

【メリット編】

MTAの主なメリットは?
硬組織形成能が高い 封鎖性が非常に高い 抗菌性がある 湿潤環境でも使用可能 生体親和性が極めて高い
成功率が高い理由は何ですか?
細菌侵入を強力に防ぎ、組織治癒を促進するためです。

【デメリット・注意点編】

MTAの欠点は何ですか?
変色リスク 操作性の難しさ 高コスト 硬化時間 CTでのアーチファクト
変色はなぜ起こるのですか?
Bismuth oxideが光反応で黒変するためです。
対策はありますか?
白色系MTAや変色しにくい製品を選択します。

【材料比較編】

MTAとCa(OH)₂の違いは?
MTAの方が封鎖性・生体親和性・長期成功率に優れています。
バイオセラミック材料との違いは?
バイオセラミックは操作性・速硬化・変色耐性が改善された後継材料です。
なぜMTAからBC材へ移行が進んでいるのですか?
MTAの弱点を克服しつつ、長所を維持しているためです。

【エビデンス編】

直接覆髄の成功率は?
MTA:80〜95%、Ca(OH)₂:60〜75%です。
穿孔修復の成功率は?
約81〜92%です。
MTA根管充填の成功率は?
症例により80〜95%と高い成功率が報告されています。
MTAとはどんな材料と言えますか?
「歯髄を守り、歯を抜かずに済ませるための革命的材料」です。
根管充填におけるMTAの位置づけは?
GPでは対応困難な難症例を成功に導く決定版材料です。
今後の位置づけはどうなりますか?
バイオセラミック材料とともに、歯内療法の中核材料として使われ続けます。

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