乳歯の虫歯を削らずに管理する小児歯科治療の考え方
- 乳歯の虫歯は見つけたらすぐ削るべきですか?
- 結論から言うと、必ずしも削る必要はありません。
乳歯の虫歯治療は
👉 「虫歯があるかどうか」だけで決める医療ではありません。
年齢
虫歯の進行度
子どもの発達段階
治療への適応力
家庭の生活背景
これらを総合的に判断して初めて「最善の治療」が決まります。
- なぜ「削って詰める」が最優先ではないのですか?
- 理由は大きく3つあります。
① 乳歯はいずれ抜けるが、役割は非常に大きい
乳歯には次のような重要な役割があります。
食べる(咀嚼)
話す(発音)
顎の正常な発育
永久歯の正しい位置誘導
子どもの心理的安定
👉 「虫歯=すぐ削る」ではなく
👉 「機能をどう守るか」という視点が必要です。
② 乳歯は削くリスクが高い歯
乳歯は
エナメル質・象牙質が薄い
歯髄(神経)が大きい
という特徴があります。
👉 少し削っただけで神経が露出するリスクが高く、
神経の治療
早期脱落
感染拡大
につながることもあります。
③ 幼児期の治療体験は一生に影響する
無理な治療は、
歯科恐怖症
医療不信
将来的な受診回避
を引き起こす可能性があります。
👉 1本の歯よりも
👉 「その子の将来の歯科受診行動」の方が大切です。
- 初期の虫歯(白く濁るだけ)はどうしますか?
- 【初期虫歯(白斑)】
穴は開いていない
痛みなし
👉 削らない治療が第一選択です。
具体的には、
フッ素塗布
食生活・飲み物指導
仕上げ磨きの改善
定期的な経過観察
を行います。
- 小さな穴があいている場合は削りますか?
- 【浅い虫歯】
小さな穴
痛みなし
限局的
この場合は、
削らず管理
もしくは最小限の侵襲治療
を選択することがあります。
👉 「削るか・削らないか」は二択ではありません。
- 痛みが出ている場合はどうなりますか?
- 【中等度以上の虫歯】
食事でしみる
明らかな穴
👉 治療は必要です。
ただし、
一度で終わらせない
子どもの状態を最優先
という配慮が不可欠です。
- 腫れや膿がある場合は?
- 【重度の虫歯・感染】
この場合は、
神経治療
抜歯
感染コントロール
など、治療を最優先します。
👉 これは例外的なケースです。
- 削らない=放置ではないのですか?
- ❌ 完全な誤解です。
削らない選択とは、
積極的な管理
定期フォロー
保護者への具体的指導
を行う高度な医療判断です。
👉 放置とは真逆の行為です。
- 世界の小児歯科ではどう考えられていますか?
- 現在の主流は、
MI(Minimal Intervention)
CAMBRA
非侵襲的管理
です。
👉 「削る前にできることを尽くす」
これが世界的な流れです。
- それでもすぐ治療すべきケースは?
- 以下の場合は治療を優先します。
痛みがある
腫れ・膿など感染兆候
咀嚼障害
永久歯に影響する位置
管理が継続できない家庭環境
- 親は何を基準に判断すればいいですか?
- 歯科医にぜひ聞いてほしい質問は、
今は削らず管理できますか?
どのくらいの頻度で通院が必要ですか?
家庭で何を変える必要がありますか?
今削るメリットとデメリットは?
👉 質問できること自体が、良い医療参加です。
- 他の子が治療していると不安になりますが
- 子どもは一人ひとり違います。
虫歯の進行
性格
発達
生活習慣
👉 正解は1つではありません。
- 結局、乳歯治療で一番大切なことは?
- それは、
👉 「歯を削ること」ではなく
👉 「その子が将来も歯を大切にできる状態を作ること」
です。
- よくある誤解は
- 虫歯=即治療 ❌
削らない=怠慢 ❌
早く終わらせる=良い治療 ❌
- 乳歯の虫歯治療の本質は
- 乳歯の虫歯治療は、
医療
発達支援
予防教育
を含む総合判断です。
保護者へのメッセージ
焦らなくていい。
比べなくていい。
子どもと家庭に合った治療こそが、最善の治療です。
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