⭐1歳6か月(1歳半)健診の意味
1歳6か月(1歳半)健診は、日本で法律(母子保健法)に基づいて実施される、子どもの発達と生活習慣を総合的に確認する非常に重要な健診です。
ここでは、全体像 → 歯科の視点 → 保護者が知っておくべき心得の順で、わかりやすく解説します。
1) 1歳6か月健診とは何か
目的(最重要)
1歳6か月健診の目的は
👉 「異常を探すこと」ではなく、「健やかな発達を確認し、必要な支援につなげること」です。
法的根拠
母子保健法に基づく公的健診
原則として市町村が無料で実施
2) 1歳6か月健診で行われる主な内容
① 身体発育の確認
・身長・体重・頭囲
・成長曲線との比較
・栄養状態の評価
👉 「平均との差」より「成長の流れ」が重要
② 運動発達の確認
チェックされる代表例:
・ひとり歩きが安定しているか
・しゃがむ・立つができるか
・物をつまめるか
👉 個人差が非常に大きい時期
③ 精神・社会性の発達
・指差しができるか
・名前を呼ばれて振り向く
・大人の簡単な指示が通る
・模倣行動があるか
👉 言語・社会性発達の重要なスクリーニング時期
④ 問診(保護者の方への聞き取り)
・食事内容・回数
・睡眠リズム
・生活リズム
・育児の困りごと
👉 保護者の不安を拾い上げる場
3) 1歳6か月健診における歯科健診の位置づけ
【歯科健診の目的】
・むし歯の有無の確認
・歯の本数・萌出状態
・歯肉・粘膜の異常
・生活習慣の評価(特に食習慣)
👉 「治療」ではなく「予防と指導」に重点
☞この時期に歯科が最も注目するポイント
① 乳歯の萌出状況
通常:上下前歯+奥歯が生え始め
本数の個人差は大きい
② 初期う蝕(むし歯の前段階)
白く濁った「ホワイトスポット」
上の前歯唇側に多い
👉 この段階で介入できれば進行を止められる
③ 哺乳・授乳・飲み物習慣
特に要注意:
寝ながら授乳
夜間授乳の継続
ジュース・乳酸菌飲料の常飲
👉 1歳半健診は「飲み物チェック」が最重要
⑤ 仕上げ磨きの状況
・保護者磨きができているか
・歯ブラシの当て方
・嫌がる場合の対応
4) 1歳6か月健診で「よくある誤解」
「むし歯なし」=安心?
❌ 完全に安心ではありません
レントゲンは撮らない
視診のみ
👉 「この検診では治療が必要な所見がない」という意味
「泣いて診れなかった」=失敗?
❌ 全く問題ありません
泣くのは正常な反応
観察できる範囲で評価される
5) 保護者が知っておくべき心得(とても大切)
① 完璧を求めない
歯磨きが嫌でもOK
食べムラがあってもOK
👉 改善のヒントをもらう場
② 比べない
他の子と発達を比べない
「平均」にとらわれない
③ 不安は必ず言葉にする
小さなことでも相談する
歯・食事・言葉・行動
👉 健診は「相談の場」ととらえる
6) 1歳6か月健診後に必ずやるべきこと(歯科)
① かかりつけ歯科医院を持つ
小児対応に慣れた歯科医院
予防重視
② 定期的なフッ素・管理へ
健診は年1回
歯科医院での管理は3〜6か月ごとが理想
③ 生活習慣の見直し
特に重要:
間食は時間を決める
甘い飲み物は特別な時だけ
寝る前は水かお茶のみ
7) 歯科的にみた1歳6か月健診の本質
「1歳6か月健診は、むし歯があるかどうかを調べる健診ではなく、むし歯にならない育て方ができているかを確認する健診」
〇 まとめ(最重要ポイント)
1歳6か月健診は発達と予防の分岐点
歯科では生活習慣が最重要
泣いても嫌がっても問題なし
結果より「その後の行動」が大切
かかりつけ歯科につなげることがゴール


