⭐CAMBRAとは何か
CAMBRA(キャンブラ:Caries Management by Risk Assessment)は、米国カリフォルニア大学で開発された、科学的根拠(エビデンス)に基づく虫歯管理・予防システムです。
CAMBRAは「むし歯=削って治す」という従来型歯科医療から、「むし歯は管理できる生活習慣病である」という考え方へ大きく舵を切った体系です
CAMBRA(Caries Management by Risk Assessment)とは
👉 患者ごとのむし歯リスクを評価し、そのリスクに応じて予防・管理・治療を最適化するシステムです。
開発:米国カリフォルニア大学(UCSF)
特徴:
科学的根拠(エビデンス)重視
画一的治療をしない
削る前に「原因」を管理する
なぜCAMBRAが必要だったのか
従来の問題点
むし歯を見つけたら削る
再発 → 再治療 → 歯質喪失の連鎖
生活背景を無視
👉 「なぜむし歯になったのか」を問わなかった
CAMBRAの基本思想(3つの柱)
① むし歯は感染症+生活習慣病
細菌(ミュータンス菌など)
食習慣(糖の摂取頻度)
唾液量・質
フッ素曝露
👉 原因は多因子
② リスクは人によって違う
同じ年齢でも
むし歯ゼロの子
多発する子
👉 全員に同じ治療は不合理
③ 削る治療は「最後の手段」
非侵襲的管理を優先
歯質保存を最重要視
【CAMBRAの実践プロセス(4ステップ)】
STEP① むし歯リスク評価(Risk Assessment)
以下を総合的に評価します。
● 疾患指標(Disease Indicators)
現在のむし歯
過去の修復歯
白濁(初期病変)
→ 最も重要な指標
● リスク因子(Risk Factors)
砂糖摂取頻度
プラーク量
唾液量低下
口腔内細菌レベル
哺乳・間食習慣
● 防御因子(Protective Factors)
フッ素使用状況
キシリトール
定期受診
唾液分泌
保護者の関与
STEP② リスク分類
低リスク
中等度リスク
高リスク
極高リスク
👉 ここで治療方針が分かれる
STEP③ リスクに応じた管理・予防
〇低リスク
現状維持
定期フッ素
生活指導
〇中〜高リスク
フッ素強化
食生活改善
プラークコントロール
抗菌的アプローチ(必要時)
〇極高リスク
積極的介入
修復+原因管理
短期フォロー
STEP④ 定期的な再評価
リスクは固定ではない
生活変化で上下する
👉 CAMBRAは「続く医療」
CAMBRAと「削らない治療」の関係
CAMBRAは
❌「削らない主義」
⭕「削る前に管理」
初期むし歯は再石灰化可能
穴があっても進行停止できる場合あり
【小児歯科におけるCAMBRAの強み】
① 乳歯・混合歯列期に最適
進行が早い
行動調整が重要
家庭環境の影響が大きい
👉 親を治療チームに含める仕組み
② 不要な治療を減らす
抑制治療回避
トラウマ予防
長期的歯質保存
③ 永久歯う蝕予防に直結
乳歯期の管理=永久歯の健康
CAMBRAのメリット・注意点
〇メリット
・科学的
・個別化医療
・再発予防
・医療費削減
・患者満足度向上
〇注意点
・時間がかかる
・家庭の協力が必須
・即効性を求めると不向き
〇日本の臨床での実際
日本では
保険制度とのギャップ
認知度の問題
があるものの、
👉 予防歯科・小児歯科では確実に広がっている考え方
【まとめ】
CAMBRAとは
「むし歯を治すシステム」ではなく
「むし歯を起こさせない医療の考え方」


