🦷 歯周基本治療 Q&A 集
Ⅰ.歯周基本治療の総論
- 歯周基本治療とは何ですか?
- 歯周病の原因を取り除き、進行を止めるための最初で最も重要な治療です。
- なぜ「基本」なのですか?
- 外科治療や再生療法の前に必ず行う土台となる治療だからです。
- 歯周基本治療だけで治ることはありますか?
- 軽度〜中等度の歯周病では改善・安定が期待できます。
- どんな内容が含まれますか?
- プラークコントロール、SRP、生活指導、咬合調整などです。
- 歯周病の原因は何ですか?
- 主因は歯周病菌を含むプラーク(細菌のかたまり)です。
- 歯石は歯周病の原因ですか?
- 歯石自体より、細菌の温床になることが問題です。
- 痛みはありますか?
- 状態によりますが、必要に応じて麻酔を行います。
- 治療期間はどのくらいですか?
- 数週間〜数か月が一般的です。
- 高齢者でも必要ですか?
- 年齢に関係なく必要です。
- 自覚症状がなくても必要ですか?
- はい。歯周病は「静かに進行する病気」です。
- 歯周基本治療を省略できますか?
- 原則できません。
- 再発しますか?
- セルフケアとメインテナンスが不十分だと再発します。
- 喫煙者は効果が落ちますか?
- はい。治癒反応が低下します。
- 糖尿病患者でも行えますか?
- はい。むしろ重要です。
- 抗菌薬は使いますか?
- 基本治療では通常使用しません。
- 歯周基本治療は保険適用ですか?
- 日本では保険診療で行えます。
- 何回くらい通院しますか?
- 症例により異なります。
- 歯がグラグラしていても行いますか?
- はい。動揺の原因改善を図ります。
- 抜歯を避けられますか?
- 保存できる可能性が高まります。
- 成功のカギは何ですか?
- 患者さん自身のセルフケアです。
Ⅱ.プラークコントロール
- プラークコントロールとは何ですか?
- 歯垢を減らし、付着させない管理です。
- 歯みがきだけで十分ですか?
- 歯間清掃が不可欠です。
- 歯ブラシは何を選べばよいですか?
- やわらかめ〜普通で毛先の細いものです。
- 力を入れた方がきれいになりますか?
- いいえ。歯肉を傷つけます。
- 歯みがきは何分必要ですか?
- 目安は5〜10分です。
- 電動歯ブラシは有効ですか?
- 正しく使えば有効です。
- 歯間ブラシとフロス、どちらが良いですか?
- 部位により使い分けます。
- 歯周病患者にフロスは危険ですか?
- 正しく使えば安全です。
- 出血したら中止すべきですか?
- むしろ継続が重要です。
- 洗口剤は効果がありますか?
- 補助的な効果はあります。
- 歯石は歯みがきで取れますか?
- 取れません。
- 磨き残しが多い部位は?
- 歯と歯肉の境目、奥歯の内側です。
- 朝と夜、どちらが重要ですか?
- 就寝前が最重要です。
- 舌清掃は必要ですか?
- 口臭対策として有効です。
- 歯肉マッサージは効果がありますか?
- 血流改善効果があります。
- 磨きすぎは問題ですか?
- 歯肉退縮や摩耗の原因になります。
- 子どもの頃の習慣は影響しますか?
- 大きく影響します。
- 被せ物が多くても可能ですか?
- 可能ですが工夫が必要です。
- 片手が不自由な場合は?
- 補助器具を活用します。
- 指導は毎回必要ですか?
- 状態に応じて繰り返します。
Ⅲ.スケーリング・ルートプレーニング(SRP)
- スケーリングとは何ですか?
- 歯石を除去する処置です。
- ルートプレーニングとは?
- 根面を滑沢化する処置です。
- なぜ根まできれいにするのですか?
- 細菌の再付着を防ぐためです。
- 痛みはありますか?
- 麻酔で軽減できます。
- 何回に分けて行いますか?
- 通常数回に分けます。
- 1回で終わらせられますか?
- 状態によっては困難です。
- 超音波と手用、どちらが良いですか?
- 併用が理想です。
- 出血は問題ですか?
- 炎症がある証拠です。
- 歯がしみることがありますか?
- 一時的に起こることがあります。
- SRP後に歯が長く見えるのはなぜ?
- 腫れが引いたためです。
- 歯がぐらつくことはありますか?
- 一時的に起こることがあります。
- 抗菌薬を併用しますか?
- 通常は行いません。
- ポケットは浅くなりますか?
- 多くの症例で改善します。
- 完全に菌を除去できますか?
- 減少させることが目的です。
- 深いポケットでも有効ですか?
- 効果はありますが限界があります。
- 妊娠中でも可能ですか?
- 安定期であれば可能です。
- 高血圧患者でも可能ですか?
- 管理下で可能です。
- 抗凝固薬服用中は?
- 主治医と連携します。
- 術後の注意点は?
- 強い刺激を避けます。
- 食事制限はありますか?
- 一時的に硬い物を避けます。
- 再治療はありますか?
- 必要に応じて行います。
- 歯肉は元に戻りますか?
- 炎症は改善します。
- 再石灰化は起こりますか?
- 環境が整えば起こります。
- どの職種が担当しますか?
- 歯科医師・歯科衛生士です。
- 技術差はありますか?
- 結果に影響します。
Ⅳ.生活習慣・全身疾患との関係
- 喫煙はどれくらい影響しますか?
- 歯周病リスクが数倍になります。
- 禁煙で改善しますか?
- はい、治癒が向上します。
- 糖尿病と関係がありますか?
- 双方向性があります。
- 血糖コントロールで歯周病は改善しますか?
- 改善傾向があります。
- ストレスは影響しますか?
- 免疫低下を招きます。
- 睡眠不足は関係しますか?
- 炎症が悪化します。
- 食生活は関係しますか?
- 大きく関係します。
- タンパク質不足は?
- 治癒遅延を招きます。
- ビタミン不足は?
- 歯肉炎を悪化させます。
- 骨粗鬆症との関係は?
- 歯槽骨に影響します。
- 薬の副作用はありますか?
- 歯肉増殖などがあります。
- 妊娠中の歯周病は危険ですか?
- 早産リスクが指摘されています。
- 高齢者では何が重要ですか?
- 口腔機能維持です。
- 認知症との関連は?
- 間接的関連が示唆されています。
- フレイルと関係しますか?
- 強く関係します。
- 誤嚥性肺炎との関係は?
- 口腔内細菌が関与します。
- 多職種連携は必要ですか?
- 非常に重要です。
- 医科との情報共有は?
- 治療の質が向上します。
- 管理栄養士の役割は?
- 食事指導です。
- 看護師との連携は?
- 口腔ケア継続に有効です。
- 介護職との連携は?
- 在宅・施設で重要です。
- 訪問歯科でも行いますか?
- 行います。
- 家族指導は必要ですか?
- 特に高齢者で重要です。
- セルフケアが難しい場合は?
- 代行ケアを検討します。
- 社会的背景も考慮しますか?
- はい。
Ⅴ.再評価・メインテナンス
- 再評価とは何ですか?
- 基本治療後の効果判定です。
- いつ行いますか?
- 治療終了後4〜8週が目安です。
- 何を評価しますか?
- ポケット、出血、動揺などです。
- 改善しない場合は?
- 治療計画を修正します。
- 外科治療が必要になることは?
- はい、あります。
- メインテナンスとは?
- 再発防止の継続管理です。
- 間隔はどのくらいですか?
- 1〜3か月が一般的です。
- なぜ通い続ける必要がありますか?
- 歯周病は慢性疾患だからです。
- メインテナンスで何をしますか?
- 清掃、確認、指導です。
- 痛みはありますか?
- 通常ほとんどありません。
- 自覚症状がなくても必要ですか?
- はい。
- 途中でやめるとどうなりますか?
- 再発リスクが高まります。
- 歯を守るための最善策は?
- 継続管理です。
- インプラントにも必要ですか?
- 必須です。
- 矯正治療中でも行いますか?
- 必要です。
- 被せ物が多い人は?
- より重要です。
- 自宅ケアとどちらが重要ですか?
- 両輪です。
- 歯科衛生士は何をしますか?
- 専門的管理を行います。
- 歯科医師の役割は?
- 診断と治療計画です。
- チーム医療ですか?
- はい。
- 完治は目指せますか?
- 「安定」が目標です。
- 年齢制限はありますか?
- ありません。
- 長期予後は良くなりますか?
- 大きく改善します。
- 歯を残せる確率は?
- 管理次第で高まります。
- 費用対効果は高いですか?
- 非常に高いです。
- 将来の医療費削減になりますか?
- なります。
- 生活の質は向上しますか?
- 向上します。
- 全身の健康にも良いですか?
- 良い影響があります。
- 一番大切なことは?
- 続けることです。
- 患者さんに一言で伝えると?
- 「歯周基本治療は、一生自分の歯で食べるための土台です」
Copyright © 2022-2025 Shiron Dental Office. All Rights Reserved.