ラミネートベニア Q&A 集
基本知識
- ラミネートベニアとは?
- 歯の表面に薄いセラミックやレジンシェルを接着性レジンセメント貼り付けて見た目を改善する審美治療です。
- どんな歯に使われますか?
- 変色した上下の前歯に使用されます。 4,5番目の小臼歯にも適応する場合もあります。
- どんな悩みが改善できますか?
- 歯の色、形、すき間、軽度の歯並び、欠けなど。
- ホワイトニングとの違いは?
- ベニアは色だけでなく形や隙間も改善できます。 色調のコントロールがホワイトニングより優れています。
- 通常の被せ物と何が違いますか?
- 歯を大きく削る必要がなく、表面のエナメル質だけを最小限削る点が異なります。部分被覆冠の分類に入ります。
- ダイレクトボンディングとの違いは?
- 直接詰めるダイレクトボンディングと違い間接法で完成したシェルを接着剤で貼り付けるのが特徴です。
- どのくらいの厚さですか?
- 約0.3〜10.0mmと非常に薄いです。
- 外れやすい治療ですか?
- エナメル質を対象とした接着により強固に付くため、適切な設計なら非常に外れにくいです。
- 痛みはありますか?
- 歯の削除が少なく、痛みはほぼありません。
- 神経のある歯にもできますか?
- もちろん可能で、多くは生活歯に行います。
適応・不適応
- 重度の変色でも治りますか?
- かなりの改善が期待できます。ベニアが最も得意とする分野です。
- テトラサイクリン歯でも適応ですか?
- はい、適応できます。
- 軽度の歯並び不正は治せますか?
- 形態変化を与えることにより改善可能です。
- 重度のガタつきは?
- 大幅な位置補正はできないため矯正が必要です。
- エナメル質が少ないと不適応ですか?
- 基本的に不適応です。エナメル質への接着力を期待した修復方法です
- 歯ぎしりが強いと?
- 破折リスクが上がるため咬合接触滑走部位など慎重な診断とナイトガードが必要です。
- 虫歯があってもできますか?
- 治療してからなら可能ですがカリエスリスクの高い方は不適応です。
- 歯の欠けがある場合は?
- 欠けた原因が咬合接触やブラキシズムなどの悪習癖であれば慎重に配慮した設計が必要です。
- 神経のない歯への適応は?
- エナメル質を含めた残っている天然の歯の量によります。
- 歯肉退縮がある場合の適応は?
- マージン位置により判断が必要です。
- 歯槽骨や歯周病の状態は影響しますか?
- 歯周病がコントロールされていれば可能です。
- 子どもは可能ですか?
- 歯の成長が終わる18歳程度までは適応できません。
- 妊娠中でもできますか?
- 基本的に可能ですが、時期により診断が必要です。
- 喫煙者は適応ですか?
- 可能ですが、喫煙のコントロールは必要です。
- かみ合わせが強い人には向きませんか?
- デザイン次第では可能ですが十分な注意が必要です。
材質・構造
治療の流れ
- ベニアは何でできていますか?
- 主にガラスセラミック(e.maxなど)やジルコニアセラミック。ハイブリッドレジンを用いる場合もある。
- ジルコニアは使いますか?
- 近年ジルコニア材料の発展により応用できるケースが増えてきている。
- 色は自由に選べますか?
- かなりのバリエーションが選択可能です。
- 透明感のある仕上がりになりますか?
- オールセラミッククラウンには及びませんが天然歯に近い光透過性が得られます。
- 光沢は持続しますか?
- セラミックの場合、半永久的に光沢が保たれます。
- 厚みの調整はどうしますか?
- 可能な豊隆の程度と材料物性から総合的に判断します。その際、術前診断とワックスアップを参考にします。
- 歯の表面全体を覆いますか?
- 基本は表面と切縁を覆いますが、ケースにより変更します。
- 接着剤はどんな材料ですか?
- 接着性レジンセメントを使用します。
- ベニアの裏側はどうなっていますか?
- 接着に適した粗造面にする処理(フッ酸処理等)が施されます。
- ニオイはありませんか?
- セラミック自体は無臭です。
治療の流れ
- 治療回数は何回ですか?
- 2〜3回が一般的です。
- カウンセリングでは何を決めますか?
- 色・形・本数・仕上がりのイメージなど。
- 削らない方法はありますか?
- 極薄タイプは削らずに装着できる場合もあります。
- 歯型取りはどう行いますか?
- シリコン印象材または口腔内スキャナーです。
- 仮歯はどうなりますか?
- 装着する場合がほとんどですがしない場合もあります。
- 技工所での製作期間は?
- 通常1〜2週間ほどです。
- 装着当日は何をしますか?
- 仮歯の除去→支台歯の清掃・残存資質のチェック→ 試適→接着剤を含めた色合わせ→支台歯の清掃→接着→調整を行います。
- 削るとき麻酔は必要ですか?
- 削る量が少なく、はぼ使いません。
- 治療後の注意点は?
- 強くかじる動作は避けることが推奨されます。
- 治療前に写真は撮りますか?
- 多くの医院で記録とデザインのため撮影します。
- ワックスアップって何ですか?
- ワックスで完成を予測した形を模索しながら作り、仕上がりを視覚化する工程です。
- モックアップはできますか?
- 実際の歯に仮の形を再現して確認できます。
- 歯肉との境目は自然になりますか?
- 高精度に製作され、自然に見えるよう調整されます。
- 治療時間はどれくらいですか?
- 1回あたり30〜90分程度です。
- すぐに食事できますか?
- 接着後は30〜60分程度控えるのが一般的です。
耐久性・リスク
- 寿命はどれくらいですか?
- 平均10〜15年程度です。
- もっと長持ちする人もいますか?
- 良いケアで20年以上持つ例もあります。
- 外れることはありますか?
- 強い衝撃や接着不良で外れる可能性があります。
- 割れる原因は?
- 噛み合わせや外力など。
- 治療直後に違和感はありますか?
- 違和感はほぼありません。数日で慣れることが多いです。
- しみることはありますか?
- エナメル質の削除が少ないため比較的少ないです。
- 色は変わりますか?
- セラミックは変色しません。
- 接着面の境目が着色することはありますか?
- 長期経過でごくわずかに境目が見える場合があります。
- 歯周病のリスクは変わりますか?
- 適切な清掃をすれば問題ありません。
- むし歯になりやすくなりますか?
- ベニア周囲の歯はむし歯になる可能性があります。
- 欠けたとき修復できますか?
- 小さな欠けならレジンでリペア可能な場合があります。
- 大きく割れた場合は?
- 再製作もしくは補綴物の再設計が必要です。
- 外れた場合は再接着できますか?
- 破損がなければ可能です。
- 発音に違和感が出ることはありますか?
- 大きな形態変更時に一時的に起こることがあります。
- 舌触りはどうですか?
- ツルツルした仕上がりです。
- 金属アレルギーでも大丈夫ですか?
- メタルを使用しないため安心です。
- 歯茎の黒ずみは出ますか?
- メタルを使用しないため黒ずみは出ません。
- 強い衝撃で割れますか?
- 可能性はあります。硬い食べ物は注意が必要です。
- 噛み合わせに影響しますか?
- 適切に設計すれば問題ありません。
- 歯を弱くしますか?
- 削る量が少ないため侵襲は最小限です。
メンテナンス
- 普段の歯磨きはどうすれば?
- 通常のブラッシングで大丈夫です。
- フロスは使えますか?
- 問題なく使用できます。
- 歯間ブラシは?
- 適切なサイズなら使用可能です。
- クリーニングは必要ですか?
- 3〜6か月ごとが推奨です。
- ホワイトニングは可能ですか?
- 可能ではありません。天然歯は白くできますが、セラミックなどの人工物の色は変わりません。
- ナイトガードは必要ですか?
- 歯ぎしりが強い場合は推奨されます。
- ベニアの表面が傷つくことはありますか?
- 適切な研磨剤を使えば傷つきません。
- 歯科での研磨は必要ですか?
- セラミックの場合、通常必要ありません。
- 食べ物の制限はありますか?
- 基本はありませんが、硬い食品の過度な咬み切りは避けるべきです。
- 変色しないためのコツは?
- 喫煙・色の濃い飲み物を控えるとより良い状態が続きます。
費用・本数
- 費用はいくらですか?
- 1歯あたり5万円〜20万円ほど。
- 医院ごとの差はなぜ?
- 技術料・材料・技工所の違いが影響します。
- 保険適用ですか?
- 自由診療で保険は使えません。
- 分割できますか?
- カードでの分割やデンタルローンなどで可能な所もあります。
- 何本行うのが自然ですか?
- 通常は6本同時に修復すると自然に整います。
- 片側だけでもできますか?
- 可能ですが左右差に注意が必要です。
- 最少何本からできますか?
- 1本から可能です。
- 本数が増えると安くなりますか?
- 医院によってはセット割のような料金設定がある場合もあります。
- 再製作の費用は?
- 新規製作とほぼ同等が一般的です。
- 保証はありますか?
- 医院により1〜5年などの保証が用意されることがあります。
特殊ケース・その他
- ラミネートベニアは永久的ですか?
- 永久ではありませんが長期安定しています。
- 元の歯に戻せますか?
- 完全には戻せません。
- 金属を使っている治療より安全ですか?
- 生体親和性が高い材料です。
- 歯の乾燥が必要なのはなぜ?
- 接着力が乾燥状態で最も高く発揮されるためです。
- 口臭の原因になりますか?
- 適切に装着されていればなりにくいです。
- 矯正治療と併用できますか?
- 矯正後にベニアを行うことがあります。
- スポーツ時に問題は?
- マウスガードの使用が推奨されます。
- 金属の冠と比べてどちらが強い?
- 金属の方が強いですが、ラミネートべニアに金属はないので比較できません。
- 海外で主流の治療ですか?
- アメリカやヨーロッパで広く行われています。韓国でも普及しています。
- 総合的なメリットは?
- 歯を大きく削らず、審美性・透明感・形態改善を一度に達成できることです。


