渋谷区恵比寿の歯科医院|SHIRON DENTAL OFFICE(シロンデンタルオフィス)

⭐歯周病と全身疾患との相互関係  Q&A集

① 歯周病と全身疾患の基本

歯周病は口の中だけの病気ではないのですか?
いいえ。歯周病は炎症が全身に波及し、さまざまな全身疾患のリスクを高めることが分かっています。
なぜ歯周病が全身に影響するのですか?
歯周病菌や炎症性物質が血管内に入り込むため、全身で炎症を引き起こすからです。
歯周病菌は血液に入るのですか?
歯肉が腫れているとブラッシングや食事の刺激で簡単に血中へ移行します。
歯周病を放置すると何が起こりやすいですか?
心疾患、糖尿病の悪化、脳卒中、認知症、早産などのリスクが上昇します。

② 心臓・血管疾患との関係

歯周病は心筋梗塞のリスクを高めますか?
高めます。炎症が動脈硬化を促進することが主な理由です。
歯周病菌が心臓の血管に見つかることはありますか?
はい。動脈硬化プラーク内から歯周病菌が検出されることが報告されています。
心臓弁膜症の患者は歯周病に注意が必要ですか?
必要です。菌血症が心内膜炎の引き金になることがあるためです。
歯周病治療をすると血管の状態が良くなることはありますか?
炎症が減少し、血管の柔軟性が改善したとする報告があります。

③ 糖尿病との関係

糖尿病だと歯周病になりやすいですか?
はい。高血糖が免疫力を低下させ、炎症が進行しやすくなります。
歯周病が糖尿病を悪化させることはありますか?
あります。炎症がインスリン抵抗性を高め、血糖コントロールを悪化させます。最新の研究では、以前ほどの強い相関はないとされています。
歯周治療でHbA1cが改善することはありますか?
約0.4%程度改善する可能性があると報告されています。

④ 脳血管疾患(脳梗塞など)

歯周病は脳梗塞と関係しますか?
関連があります。慢性炎症が血栓形成や動脈硬化を促進するためです。
高齢者の脳血管リスクと歯周病の関係は?
歯周病があると脳卒中発症率が有意に高いとされています。

⑤ 認知症との関連

歯周病は認知症のリスクになりますか?
はい。歯周病菌(P.G菌(ポルフィロモナス・ジンジバリスPorphyromonas gingivalis) の毒素が脳に到達し、炎症を誘導する可能性があります。
歯周病があるとアルツハイマー病が悪化しますか?
炎症性サイトカインの増加が病状に影響することが示唆されています。
歯が少ないと認知機能が落ちやすいのは本当?
咀嚼刺激の不足が脳の血流低下につながるといわれています。

⑥ 妊娠・早産との関係

歯周病は早産のリスクになりますか?
はい。子宮収縮を促進する炎症物質(PGA. -E2など)が増加するためです。
妊娠中は歯周病が悪化しやすいですか?
ホルモン変化により歯肉が腫れやすく悪化しやすいです。
妊娠中の歯科治療は安全ですか?
可能です。安定期(妊娠中期)に無理のない範囲で行います。 主治医に相談してください。

⑦ 肺炎・呼吸器疾患

歯周病は誤嚥性肺炎の原因になりますか?
なります。歯周病菌が唾液とともに肺へ入り、炎症を起こすためです。
高齢者は特にリスクが高いのはなぜ?
口腔機能低下により誤嚥が増え、肺炎につながりやすくなるためです。
歯周ケアで肺炎予防効果がありますか?
あります。口腔ケアで肺炎発症率を下げることが示されています。

⑧ リウマチとの関連

歯周病と関節リウマチは関係がありますか?
関係があります。両者に共通する炎症メカニズムがあるためです。
歯周病菌がリウマチを悪化させることがありますか?
はい。P.G菌(ポルフィロモナス・ジンジバリスPorphyromonas gingivalis) が関節炎を引き起こす酵素(PAD)を産生します。
リウマチ治療中に歯周治療は必要?
必須です。炎症の相互悪化を防ぐためです。

⑨ 消化器疾患関連

歯周病は腸内環境にも影響しますか?
はい。炎症物質が腸のバリア機能を弱める可能性が示されています。
胃がんとの関連はありますか?
歯周病菌が胃内に検出される例があり、関連の可能性が研究されています。

⑩ 腎臓病との関連

歯周病は慢性腎臓病(CKD)と関係しますか?
関連があります。全身炎症が腎機能低下を悪化させる可能性があります。
腎不全患者は歯周病が重症化しやすいですか?
はい。免疫機能の低下が影響します。

⑪ メタボリックシンドロームとの関連

歯周病は肥満と関係しますか?
肥満による慢性炎症が歯周病リスクを高めます。
歯周病は脂質異常症に関係しますか?
関連があります。炎症が脂質代謝に影響する可能性が指摘されています。

⑫ 血液疾患・骨疾患

歯周病は骨粗鬆症と関係しますか?
関係があります。骨代謝の低下が歯槽骨の吸収を進めます。
歯周病と貧血は関係しますか?
慢性炎症により鉄代謝が乱れ、鉄欠乏性貧血を引き起こすことがあります。

⑬ 新興疾患との関連

歯周病はCOVID-19の重症化と関係ありますか?
あるとされます。炎症が全身の免疫反応に悪影響を与える可能性があります。

⑭ 免疫全般への影響

歯周病があると免疫機能が落ちますか?
病原菌への過負荷により免疫が疲弊しやすくなります。
歯周病は自己免疫疾患と関係しますか?
関連が疑われていますが、研究段階です。

⑮ 口腔以外の炎症との相互作用

歯周病が慢性副鼻腔炎に影響しますか?
上顎臼歯部の感染は副鼻腔炎の原因になり得ます。
全身の炎症が歯周病を悪化させることはありますか?
あります。体の炎症負荷が歯周組織の炎症性応答を増加させます。

⑯ 老化との関係

歯周病があると老化が進むのですか?
慢性炎症(炎症性老化=inflammaging)が加速すると考えられています。
免疫老化とも関係しますか?
はい。免疫細胞の慢性的な刺激により免疫老化が進むとされます。

⑰ 生活習慣との関連

喫煙者はなぜ重症化しやすいのですか?
血流低下・免疫不良により炎症が改善しにくいためです。
睡眠不足も歯周病を悪化させますか?
はい。免疫低下とストレスホルモン増加が影響します。
栄養不良と歯周病の関係は?
ビタミンCや鉄不足は歯周組織の脆弱化を招きます。

⑱ がんとの関連

歯周病はがんの発症リスクを高めますか?
一部のがんでリスク増加が報告されています(食道、膵臓など)。
歯周病菌はがん細胞増殖に関与しますか?
F.N菌:フソバクテリウム・ヌクレアタム(Fusobacterium nucleatum)が大腸がんの増殖を促進する研究があります。

⑲ 生活の質(QOL)への影響

歯周病は疲れやすさに関係しますか?
慢性炎症が続くため倦怠感や疲労感の原因になります。
歯周病は睡眠の質に影響しますか?
痛みや炎症による不快症状が睡眠を妨げます。

⑳ 医療費への影響

歯周病があると医療費が増えますか?
心疾患・糖尿病・肺炎などの治療が必要になり医療費が増加します。

㉑ 予防・治療による全身への好影響

歯周治療をすると全身の健康も改善しますか?
炎症が減少し、血糖、血管機能、免疫などが改善する可能性があります。
定期的な歯科メンテナンスは全身の健康維持に役立ちますか?
非常に役立ちます。歯周病のコントロールは全身の炎症負荷を減らすためです。

歯周病が全身に及ぼす影響

① 基礎

歯周病の原因菌は何ですか?
歯周病に関わる主要な細菌であるP.G菌(ポルフィロモナス・ジンジバリスPorphyromonas gingivalis)は、非常に病原性の高い菌として知られています。 この菌は、他のいくつかの菌(T.d菌やT.d菌など)と合わせてレッドコンプレックスと呼ばれ、歯周病の進行に深く関わる「キーストーン病原体(Keystone pathogen)」と考えられています。
歯周病の炎症が全身に広がる仕組みは?
歯周ポケットから菌や炎症物質が血液に入るためです。
歯周炎の炎症はどのくらい全身に影響しますか?
25〜30cm²ほどの“慢性の傷口”があるのと同程度と言われます。
歯周病はサイレントディジーズと言われるのはなぜ?
痛みが少なく、気づかないうちに進行するからです。
歯周病は全身の炎症レベル(CRP)を上げますか?
はい。CRP上昇は心血管疾患リスクと直結します。

② 心血管疾患

歯周病は動脈硬化の原因になりますか?
慢性炎症が血管内皮を傷つけ、動脈硬化を促進します。
歯周病は心筋梗塞のリスクを増やしますか?
有意に増やします。
歯周病菌は血管プラーク内で見つかるのですか?
はい。P.G菌(ポルフィロモナス・ジンジバリスPorphyromonas gingivalis)などが検出された研究があります。
高血圧との関連は?
歯周病による炎症が血管の収縮反応を高める可能性があります。
歯周治療で血管の健康が改善することはありますか?
血管の柔軟性が改善したとする報告があります。

③ 糖尿病

糖尿病患者は歯周病になりやすい?
はい。高血糖が免疫機能を弱めるためです。
歯周病が糖尿病を悪化させるのはなぜ?
炎症物質がインスリン抵抗性を増加させるためです。
歯周病は糖尿病の合併症リスクも高める?
はい。腎症、網膜症などのリスクが増します。
1型糖尿病でも歯周病リスクはありますか?
あります。

④ 脳疾患

歯周病は脳梗塞リスクを高める?
高めます。
歯周病菌の毒素が脳に到達することはありますか?
P.G菌(ポルフィロモナス・ジンジバリスPorphyromonas gingivalis) の毒素(LPS)が脳に影響するとする研究があります。
歯周病は認知症のリスクを増やしますか?
はい、関連が指摘されています。
認知機能低下は歯周ケア不足に直結しますか?
はい。結果として歯周病悪化の悪循環が起こります。
歯周治療が認知機能に良い影響を与えることはありますか?
炎症低下による好影響が示唆されています。

⑤ 呼吸器疾患

歯周病菌を誤嚥すると肺炎になりますか?
なります。
誤嚥性肺炎の多くは口腔内の細菌が原因ですか?
はい。
在宅・施設の高齢者は特に注意が必要?
免疫低下・誤嚥の増加でリスクが上がります。
口腔ケアは肺炎予防に役立つ?
発症率が有意に減るとされています。
COPD(慢性閉塞性肺疾患)との関係は?
歯周病の炎症がCOPDの悪化と関連します。

⑥ 妊娠・出産

歯周病は早産のリスクを高めますか?
はい。
歯周病による炎症物質が子宮収縮を誘発しますか?
PG-E2が増えるため可能性があります。
妊婦は歯周病が悪化しやすい?
ホルモンの影響で腫れやすくなります。
妊娠中の歯科治療は安全?
安定期であれば可能です。

⑦ リウマチなど免疫疾患

歯周病は関節リウマチの症状を悪化させる?
可能性があります。
リウマチ患者は歯周病が多い?
炎症機構が共通しているため多い傾向です。
歯周病菌のPAD酵素はRAと関係しますか?
関連が強く疑われています。

⑧ 消化器疾患

歯周病菌が腸に影響する?
腸内環境悪化との関連が示されています。
大腸がんリスクとの関連は?
F.N菌:フソバクテリウム・ヌクレアタム(Fusobacterium nucleatum)が大腸がん増殖に関与する報告があります。
胃炎や胃がんにも関連しますか?
関連の可能性があります。

⑨ 腎臓病

歯周病は腎機能低下を悪化させますか?
全身炎症が腎臓への負荷を高めます。
CKD(慢性腎臓病)患者は歯周病が重症化しやすい?
はい、免疫力が低下するためです。
透析患者と歯周病の関係は?
透析患者は重度歯周病の割合が高いです。

⑩ がん・その他

歯周病は一部のがんリスクを上げますか?
食道・膵臓がんなどのリスク上昇が示されています。
歯周病と全身疲労は関係しますか?
慢性炎症が倦怠感の原因になります。
歯周病は医療費増加と関係?
心臓・糖尿病治療費が増えるため結果として増加します。

全身疾患が歯周病を悪化させる影響

① 生活習慣病 → 歯周病を悪化

糖尿病は歯周病を悪化させますか?
最も強い因子のひとつです。
糖尿病で傷が治りにくいのは歯周病にも影響?
はい、歯肉の治癒が遅れます。
高血圧の人は歯周病になりやすい?
血流障害が歯肉の炎症を助長します。
脂質異常症は歯周病に関係しますか?
炎症体質が重なると悪化しやすくなります。
肥満は歯周病のリスク?
脂肪細胞が炎症物質を放出するためリスクが上がります。

② 呼吸器疾患 → 歯周病

COPD患者は歯周病が多い?
免疫機能低下と呼吸薬の影響で増えます。
口呼吸は歯周病の原因?
口腔乾燥が起こり細菌増殖が進みます。
睡眠時無呼吸症候群と歯周病の関係は?
SAS(睡眠時無呼吸症候群Sleep Apnea Syndrome)の炎症体質が歯周病リスクを高めます。

③脳・神経疾患→歯周病

脳梗塞後は歯周病が悪化しやすい?
片麻痺で清掃困難となるため悪化しやすくなります。
認知症の患者は歯周病がなぜ進みやすい?
清掃意欲の低下・手技の不十分・介護施設でのケアが不十分などが原因です。
パーキンソン病と歯周病の関係は?
手指の震えでブラッシング困難となり進行します。

④ 免疫疾患 → 歯周病

免疫抑制剤を使うと歯周病は悪化?
免疫が落ち感染しやすくなります。
自己免疫疾患(SLEなど)と歯周病の関係は?
全身炎症が歯周組織に影響します。
HIV患者は歯周病が重篤化しやすい?
はい、免疫抑制が主因です。

⑤ 消化器疾患 → 歯周病

胃腸障害があると歯周病が悪化しやすい?
栄養吸収不良が歯肉の免疫・修復を妨げるためです。
潰瘍性大腸炎などの腸性疾患との関連は?
全身炎症が歯周組織にも波及します。

⑥ 腎臓病 → 歯周病

腎不全は歯周病と関係ありますか?
免疫低下と代謝異常で悪化しやすいです。
透析患者は歯周病が重症?
高率で重度になります。
腎疾患の薬は歯周に影響しますか?
一部の薬が口腔乾燥を引き起こすことがあります。

⑦ 内分泌疾患 → 歯周病

甲状腺疾患は歯周病と関係ありますか?
代謝異常が歯周組織の免疫に影響します。
ホルモン異常(更年期)は歯周病を悪化?
エストロゲン低下で歯槽骨が吸収しやすくなります。
副腎疾患と歯周病の関係は?
コルチゾール過剰で免疫が低下します。
ビタミンD不足は歯周病の悪化因子?
免疫機能・骨代謝に影響し悪化しやすくなります。

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