歯周治療における「ペリオドンタル・デブライドメント(Periodontal Debridement)」
ペリオドンタル・デブライドメント Q&A集
- ペリオドンタル・デブライドメントとは何ですか?
- 歯の表面や歯周ポケット内に存在する歯垢(プラーク)・歯石・細菌バイオフィルムなどをル—トプレーニングやスケーリングでしばしば行われる意図的なセメント質除去をすることなく除去・破壊すること。その目的は、歯のセメント質を保存し、健康なセメント質を保存し、歯周環境を維持または再構築し、非外科的な技術を使用して、軽い力でのインスツルメーションで歯周炎を消退させることです。
歯周治療の基本であり、歯周病進行抑制の中核をなします。
- 歯周治療とは何ですか?
- 歯周組織における病的アタッチメントロスの予防と治療
- ディスバイオーシス(dysbiosis)とは何ですか?
- 正常な細菌叢が病原性の高い細菌叢にシフトすること。細菌性プラーク内のディスバイオ—シスが歯周組織の炎症を亢進し、組織破壊が起こることに注目が集まっています。
- 歯周基本治療の現実的ゴールとは?
- 歯根表面の細菌性プラークや歯石を生体が許容できる範囲までに減らし、炎症が改善していく環境を獲得することです。
- ポケット閉鎖とは?
- 歯周基本治療後に4mm以下の歯周ポケットになること。この深さは、メインテナンスが容易にできる深さとして、歯周組織の安定を示す治療のゴールととらえられています。
- 歯周基本治療を行ったらとどうなりますか?
- 平均でおよそ7割の部位の改善が期待出来ます。
- スケーリングとは何ですか?
- 歯に付着した歯肉縁上および歯肉縁下の細菌性プラーク、歯石、その他の沈着物を各種スケーラーを用いて機械的に除去すること。
- ル—トプレーニングとは何ですか?
- 歯根面の細菌やその他代謝物を含む病的な歯質(主にセメント質)を各種スケーラーを用いて除去し、生物学的に為害性のない滑沢な歯根面を作り出し、歯肉と歯根面との付着を促すこと。
- SRPとは何ですか?
- 一連の歯肉縁下のインスツルメーションである、スケーリング・ル—トプレーニングのことです。
- SRPとデブライトメントの違いは何ですか?
- デブライトメントは、意図的にセメント質を除去したり根面を滑沢化しないこと。現在、ル—トプレーニングの意義は、かつて考えられていたほど大きくないようです。
- デブライトメントとSRPはどう使い分けるのですか?
- 根面を削り過ぎるというオ—バ—インスツルメーションを避けるため、再評価後、十分な歯周組織の治癒が得られず、生体が許容できる根面になっていない部位に、選択的にル—トプレーニングを行うべきと考えられています。
- なぜデブライドメントが重要なのですか?
- 歯周病は細菌感染症であり、
原因であるバイオフィルムや歯石を意図的にセメント質を除去しないで物理的に破壊・除去しなければ治癒しないためです。
- デブライドメントだけで歯周病は治りますか?
-
軽度〜中等度歯周病:多くの場合、改善・安定が期待できます
重度歯周病:外科治療や再生療法が必要になることがあります
- どのような器具を使いますか?
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超音波スケーラー
手用スケーラー
エアフロー(パウダーデブライドメント)
レーザー(補助的)
➡ 単独使用よりも併用が推奨されます。
- 超音波スケーラーの役割は?
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バイオフィルムの破壊能力が高い
深い歯周ポケットにも到達しやすい
治療時間が短縮され、患者負担が軽減
- 手用スケーラーは不要ですか?
- 不要ではありません。
細かい触知感覚が必要な部位では、手用器具が有効です。
超音波スケーラーでは処理できない根面の処置に用います。
- デブライドメントは痛いですか?
-
炎症が強い場合は痛みを感じることがあります
必要に応じて局所麻酔を使用します
- 治療は何回必要ですか?
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軽度:1〜2回
中等度以上:数回に分けて実施
➡ 歯周組織の反応を見ながら調整します。
- デブライドメント後に歯ぐきが下がるのはなぜ?
- 炎症による腫れが取れ、本来の歯肉位置に戻るためです。
病気が治っている証拠でもあります。
- デブライドメント後に出血が減るのはなぜですか?
- 炎症が軽減し、毛細血管の脆弱性が改善するためです。
- デブライドメントで歯がグラグラすることはありますか?
- 一時的に感じることがありますが、炎症性腫脹が減った結果であり、長期的には安定します。
- 抗菌薬は使わないのですか?
- 原則は物理的除去が最優先です。必要に応じて局所・全身抗菌療法を補助的に使用します。
- デブライドメント後に自宅で気をつけることは?
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正しいブラッシング
歯間清掃(フロス・歯間ブラシ)
喫煙者は禁煙努力
- メインテナンスと関係がありますか?
- 非常に重要です。デブライドメント後のSPT(歯周病安定期治療)がなければ再発します。
- 高齢者や全身疾患のある人にも行えますか?
- はい。
むしろ誤嚥性肺炎予防・全身炎症軽減の観点から重要です。
- ペリオドンタル・デブライドメントは外科治療ですか?
- いいえ。非外科的歯周治療です。
- 歯周外科の前にも行いますか?
- 必ず行います。初期治療として不可欠です。
- 最近の歯周治療ではなぜ「デブライドメント」が強調されるのですか?
-
過度な根面削除を避け
最小侵襲で最大効果を得るため
という考え方が主流になったためです。
- ペリオドンタル・デブライドメントの本質は何ですか?
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👉 「歯を削る治療」ではなく、「感染源を除去する治療」
👉 歯周組織の治癒能力を引き出す治療
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