歯周外科(歯周外科)治療についてのQ&A集
🔹 基本概念
- 歯周外科とは何ですか?
- 歯周病によって破壊された歯ぐきや歯を支える骨を、外科的手技によって改善・回復させる治療です。
- なぜ歯周外科が必要になるのですか?
- 通常のスケーリング・ルートプレーニング(SRP)では届かない、深い歯周ポケットや複雑な骨欠損があるためです。
- 歯周外科は誰でも受ける治療ですか?
- いいえ。基本治療(プラークコントロール・SRP)を行っても改善しない場合に検討されます。
🔹 歯周基本治療との関係
- いきなり歯周外科を行うことはありますか?
- 原則ありません。非外科的治療が最優先です。
- 歯周外科前に最も重要なことは?
- 患者自身のプラークコントロールです。磨けていない状態では成功率が下がります。
🔹 歯周外科の主な目的
- 歯周外科の目的は何ですか?
-
歯周ポケットの減少
感染源の除去
清掃しやすい環境の獲得
歯の長期保存
- 歯を「治す」治療ですか?
- 主目的は病気の進行を止め、保存可能な環境を整えることです。
🔹 主な歯周外科手術の種類
- フラップ手術とは何ですか?
- 歯ぐきを切開してめくり、歯根や骨を直接見ながら徹底的に清掃する手術です。
- フラップ手術の最大の利点は?
- 直視下での確実な感染除去ができる点です。
- 歯周ポケット除去手術とは?
- 深い歯周ポケットを浅くし、清掃しやすい形に整える手術です。
- 骨整形(オッセオプラスティ)とは?
- 不整な歯槽骨の形態を整え、歯ぐきが安定しやすい環境を作る処置です。
🔹 歯周再生療法
- 歯周再生療法とは何ですか?
- 失われた歯槽骨・歯根膜・セメント質の再生を目指す治療です。
- 代表的な再生材料は?
-
エムドゲイン®
GTR膜
骨補填材
- 再生療法は誰にでも可能ですか?
- いいえ。骨欠損の形態(垂直性欠損など)が重要です。
🔹 歯肉形成・審美的外科
- 歯肉切除術とは?
- 腫れた歯ぐきを切除し、歯周ポケットを浅くする手術です。
- 歯肉移植術とは何ですか?
- 歯ぐきが下がった部位に、自分の歯肉を移植して厚みを回復させる手術です。
- 知覚過敏にも効果がありますか?
- はい。歯根露出の被覆により症状改善が期待できます。
🔹 適応と禁忌
- 歯周外科が適応となるのはどんな場合?
-
歯周ポケット5mm以上
垂直性骨欠損
分岐部病変
- 行わない方がよいケースは?
-
プラークコントロール不良
重度喫煙者
全身状態不良(コントロール不良の糖尿病など)
🔹 手術の流れ
- 手術時間はどれくらいですか?
- 部位にもよりますが、30〜90分程度が一般的です。
- 麻酔はしますか?
- 局所麻酔で行います。痛みはほぼ感じません。
🔹 術後経過・管理
- 術後の痛みは強いですか?
- 個人差はありますが、鎮痛薬でコントロール可能なことがほとんどです。
- 術後に腫れますか?
- 一時的に腫れることがありますが、数日〜1週間で軽減します。
- 食事制限はありますか?
- 術後数日は刺激物・硬いものを避ける必要があります。
🔹 合併症・リスク
- 歯周外科の主なリスクは?
-
術後疼痛・腫脹
歯肉退縮
知覚過敏
- 歯が長く見えるのはなぜ?
- 炎症が取れ、本来の歯肉位置に戻るためです。
🔹 成功の条件
- 歯周外科が成功する条件は?
-
術前のプラークコントロール
適切な術式選択
術後メインテナンス
- 手術後は治療終了ですか?
- いいえ。メインテナンスが最重要です。
🔹 メインテナンスとの関係
- メインテナンスをしないとどうなりますか?
- 再発リスクが非常に高くなります。
- メインテナンス頻度は?
- 3〜4か月ごとが推奨されることが多いです。
🔹 全身疾患との関係
- 糖尿病があると歯周外科はできませんか?
- 血糖コントロールが良好であれば可能です。
- 喫煙は影響しますか?
- はい。再生療法の成功率を著しく下げます。
🔹 エビデンス
- 歯周外科の効果は科学的に証明されていますか?
- はい。長期的な歯の保存に有効であることが示されています。
- 再生療法のエビデンスは?
- 中等度〜高いエビデンスがあり、適切な症例選択が鍵です。
🔹 患者説明でよくある質問
- 歯周外科をすれば歯周病は完治しますか?
- 完治ではなく、コントロールが目的です。
- 外科をしない選択肢はありますか?
- 症例によっては非外科的治療の継続も選択されます。
- 歯周外科の最大のメリットは?
- 歯を長く残せる可能性が高まることです。
- 最大の注意点は?
- 術後のセルフケアと定期管理が不可欠な点です。
- 歯周外科は怖い治療ですか?
- 適切に行えば、安全性の高い治療です。
- 一言で歯周外科を表すと?
- 「歯を守るための最終調整治療」です。
歯周再生療法 Q&A(エムドゲイン®・GTR中心)
🔹 再生療法の基本概念
- 歯周再生療法とは何ですか?
- 歯周病で失われた
①歯槽骨 ②歯根膜 ③セメント質を、生物学的治癒機構を利用して再生させる治療です。
- なぜ「再生」は難しいのですか?
- 歯周組織は
感染環境
上皮の侵入速度が速いため、自然治癒では骨や歯根膜が再生しにくいからです。
- 再生療法と通常のフラップ手術の違いは?
-
フラップ手術
再生療法
炎症除去・形態改善
失われた組織の再生
ポケット減少が目的
支持組織回復が目的
🔹 エムドゲイン療法(EMD)
- エムドゲインとは何ですか?
- ブタ歯胚由来の
エナメルマトリックスデリバティブ(EMD)で、歯の発生過程を再現する再生材料です。
- エムドゲインは何を再生させますか?
-
歯根膜の新生
セメント質の形成
それに伴う歯槽骨再生
📌 「歯根膜主導型再生」が特徴です。
- なぜ骨ができるのですか?
- エムドゲインは
👉 歯根膜細胞の分化・増殖を促進
👉 結果として骨形成が誘導されます。
- エムドゲインの適応症は?
-
2〜3壁性の垂直性骨欠損
深い歯周ポケット(≥6mm)
分岐部病変(Class II初期)
- 適応外は?
-
水平性骨欠損
プラークコントロール不良
重度喫煙者
- エムドゲインの成功率は?
- システマティックレビューでは
👉 CAL獲得量:約2〜4mm
👉 長期安定性あり(10年以上報告)
- エムドゲインのメリットは?
-
手技が比較的簡便
異物反応が少ない
歯肉退縮が少ない傾向
- デメリットは?
-
欠損形態依存性が高い
水分管理が重要
単独ではスペースメイキングが弱い
🔹 GTR(組織誘導再生法)
- GTRとは何ですか?
- 遮断膜(メンブレン)を用いて
上皮の侵入を防ぎ、
👉 歯根膜細胞の再生スペースを確保する方法です。
- なぜ膜が必要なのですか?
-
上皮:再生が早い
骨・歯根膜:再生が遅い
👉 膜で時間と空間を確保します。
- GTRの適応症は?
-
明確な垂直性骨欠損
分岐部病変(Class II)
若年者で治癒力が高い症例
- 使用される膜の種類は?
-
吸収性膜(コラーゲン)
非吸収性膜(ePTFE)※現在は減少
- 吸収性膜の利点は?
-
二次手術不要
感染リスク低減
患者負担が少ない
- GTRの成功率は?
-
垂直性欠損:良好
分岐部病変:症例依存性が高い
📌 膜露出が最大のリスク。
🔹 エムドゲイン vs GTR
- どちらが優れていますか?
- 優劣ではなく適応の違いです。
手技エムドゲイン 簡便
手技GTR 繊細
異物反応エムドゲン 少ない
異物反応GTR あり得る
スペース確保エムドゲン 弱
スペース確保 強
合併症エムドゲン 少ない
合併症GTR 膜露出
- 併用療法はありますか?
- はい。
👉 エムドゲイン+骨補填材
👉 GTR+骨補填材
で成功率が向上する報告があります。
🔹 骨補填材との関係
- なぜ骨補填材を使うのですか?
- 欠損部の
スペース維持
血餅安定
を目的とします。
- 自家骨と人工骨の違いは?
-
自家骨:再生能高いが侵襲あり
人工骨:安全・形態維持向き
🔹 成功の条件
- 再生療法成功の最大因子は?
-
✔ プラークコントロール
✔ 欠損形態
✔ 喫煙の有無
- 喫煙の影響は?
-
👉 再生成功率が約50%以下に低下
👉 血流・細胞活性が阻害されます。
- 糖尿病患者は?
- 血糖コントロール良好なら可能。
HbA1c管理が重要。
🔹 術後管理・予後
- 術後すぐ歯磨きできますか?
- 手術部位は一定期間ブラッシング禁止。
洗口剤・プロフェッショナル管理が重要。
- 再生が完成するまでの期間は?
-
初期治癒:2〜4週
骨成熟:6〜12か月
- 再生した骨は一生持ちますか?
-
👉 メインテナンス次第
炎症や力が加わると再吸収します。
🔹 合併症・限界
- 再生療法の失敗原因は?
-
感染
膜露出
血餅不安定
過度な咬合力
- 完全再生は可能ですか?
- 組織学的完全再生は限定的。
👉 臨床的改善が現実的目標です。
🔹 患者説明向け
- 「骨が戻る」は本当ですか?
- 条件が合えば
👉 一部は実際に再生します
ただし「新品同様」ではありません。
- 再生療法は最後の手段ですか?
- いいえ。
👉 適切な時期に行うほど成功率が高いです。
🔹 エビデンス
- 再生療法の科学的根拠は?
-
多数のRCT
システマティックレビュー
により有効性が支持されています。
- エムドゲインとGTRのエビデンス差は?
-
垂直性欠損:同等
分岐部:GTR優位な報告あり
🔹 総まとめ
- 再生療法の本質とは?
-
「環境を整え、身体が治る力を引き出す治療」
- 成功の公式は?
-
👉 再生=細菌コントロール × 欠損形態 × 術後管理
- 歯周再生療法は万能ですか?
- いいえ。
👉 適応選択がすべてです。
- 一言で言うと?
-
「選ばれた症例で、歯を救う最強の保存療法」
- 歯周病治療で再生療法が示すメッセージは?
-
削る・抜く時代から、治す・守る時代へ
- 再生療法の未来は?
-
👉 成長因子
👉 細胞療法
👉 バイオマテリアル
との融合が期待されています。
- 最後に患者さんへ伝える一言は?
-
「この治療は、あなたの歯を“一緒に守る”治療です。」
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