顎関節症治療
顎関節症
顎の痛み、口の開けにくさ、
顎関節の音、食事をしたときの
顎の疲れなどについて診察します。
顎関節症は、
一つの原因だけで起こるものではありません。
当院では、症状の経過を確認し、
顎関節や咀嚼筋の状態を診察します。
そのうえで、必要に応じて
生活指導、運動療法、
口腔内装置などを選択します。
顎関節症について
さらに詳しく知りたい方へ
顎関節症の治療について、
噛み合わせとの関係や
歯ぎしり・食いしばり、検査、
マウスピース、セルフケアなどを
詳しく解説しています。
顎関節症治療について
― 顎の痛み・口の開けにくさなど、
不快な症状でお困りの方へ ―
「口を開けると顎が痛い」
「食事をすると顎が疲れる」
「口が開きにくい」
「顎の関節から音がする」
こうした症状は、顎関節症でみられ
る代表的な症状です。
顎関節症は、顎の関節だけに問題が
ある病気ではありません。
顎関節やその周囲の筋肉、歯ぎし
り・食いしばり、日中の歯の接触
癖、生活習慣、睡眠、心理社会的な
要因など、さまざまな要因が関係し
て起こると考えられています。
そのため当院では、「噛み合わせだ
け」を原因と考えて治療するのでは
なく、まず現在の症状や顎の状態を
確認し、何が起きているのかをでき
るだけ整理することから始めます。
顎関節症では、まず「現在の状態」
を調べることが大切です
顎関節症といっても、その状態は患
者さんによって異なります。
当院では、症状や必要性に応じて、
いつから、どのような症状があるの
か
どのような動作で痛むのか
口がどの程度開くのか
口を開けたときに顎がどのように動
くのか
顎関節に音があるか
顎関節や咀嚼筋に圧痛があるか
歯ぎしり・食いしばりや日中の歯の
接触癖がないか
現在の噛み合わせや歯の接触状態
日常生活や睡眠などとの関連
などを確認します。
必要に応じて画像検査を行い、さら
に詳しい検査が必要と判断した場合
には、MRIなどの検査が可能な専門
医療機関へご紹介します。
大切なのは、「顎が痛い=すぐに噛
み合わせを変える」と考えないこと
です。
まず症状と病態を把握し、その状態
に合った治療を選択します。
「噛み合わせが悪いから顎関節症に
なる」とは限りません
以前は、噛み合わせの異常が顎関節
症の大きな原因のひとつと考えられ
ていた時代がありました。
しかし現在では、顎関節症はさまざ
まな要因が関係する病気であり、噛
み合わせだけを主な原因と考えるこ
とは適切ではないとされています。
さらに重要なのは、
顎関節症によって顎の位置や動きが
変化し、その結果として噛み合わせ
が変化することもある
ということです。
つまり、
「噛み合わせが変わったから顎関節
症になった」
とは限らず、
「顎関節や筋肉の状態が変化した結
果、噛み合わせが変わっている」
場合もあります。
そのため、噛み合わせの変化が認め
られた場合にも、それを直ちに「原
因」と判断して歯を削ったり、被せ
物を作り直したりするのではなく、
まず顎関節や筋肉を含めた状態を確
認することが重要です。
治療は、身体への負担が少なく元に
戻すことのできる方法から
顎関節症の初期治療では、原則とし
て保存的で、できるだけ元に戻すこ
とのできる治療から始めます。
症状や病態に応じて、
顎関節症についての説明
日常生活での注意やセルフケア
顎や筋肉を休ませるための生活指導
開口訓練などの運動療法
必要に応じた薬物療法
必要に応じた口腔内装置(マウスピ
ース)
などを組み合わせて治療します。
顎関節症では、治療によって「関節
の形を正常に戻す」ことだけを目標
とするのではありません。
痛みを軽減し、口を動かしやすく
し、食事や会話などの日常生活に支
障が少ない状態を取り戻すことを大
切にします。
マウスピースは、作ればよいわけで
はありません
顎関節症の治療では、症状や病態に
よって口腔内装置(マウスピース)
を使用することがあります。
しかし、すべての顎関節症にマウス
ピースが必要なわけではありません。
また、マウスピースにも種類があ
り、顎の位置や歯の接触状態に影響
を与えるものがあります。
そのため、
「顎が痛いから、とりあえずマウス
ピースを作る」
のではなく、顎関節や筋肉、顎の動
き、噛み合わせなどを確認したうえ
で、必要性を判断することが重要で
す。
使用する場合にも、装置を入れたま
ま漫然と経過を見るのではなく、症
状や顎の状態、噛み合わせの変化な
どを確認しながら使用します。
初期治療を漫然と続けないことも大
切です
顎関節症の初期治療では、症状の変
化を確認しながら経過をみていきます。
治療期間は病態によって異なります
が、おおむね1~3か月をひとつの目
安として、治療による改善がみられ
ているかを評価します。
その際には、
安静時や噛んだときの痛みが軽減し
ているか
口の開く量や開けたときの痛みが改
善・安定しているか
症状の日内変動や悪化要因がないか
歯ぎしり・食いしばりや日中の歯の
接触癖などに対応できているか
運動療法や口腔内装置に対してどの
ように反応しているか
などを確認します。
そして重要なのは、改善がみられな
いまま、同じ治療を漫然と続けない
ことです。
顎やその周囲の痛み、口の開けにく
さなどには、一般的な顎関節症とは
異なる病気が隠れている場合があり
ます。
頻度は高くありませんが、腫瘍など
を含め、他の疾患との鑑別が必要に
なることもあります。
そのため、適切な初期治療を一定期
間行っても改善がみられない場合
や、通常の顎関節症とは異なる経過
が疑われる場合には、治療をいたず
らに長期化させず、大学病院など、
より詳しい検査・診断が可能な専門
医療機関へご紹介します。
また、初診時の診察から専門的な評
価が必要と判断した場合には、当院
で治療を開始する前に専門医療機関
をご紹介することがあります。
噛み合わせを変える治療は慎重に考
えます
歯を削って噛み合わせを調整した
り、被せ物によって噛み合わせや顎
の位置を変えたりする治療は、元の
状態に簡単には戻すことができませ
ん。
現在の顎関節症治療では、顎関節症
の症状を改善することだけを目的と
して、最初からこのような不可逆的
な咬合治療を行うことは基本的には
推奨されていません。
まず保存的な初期治療を行い、症状
や顎の状態がどのように変化するか
を確認することが大切です。
一方で、歯科治療によって作られた
被せ物などが明らかに高い、特定の
歯だけが異常に早く接触するなど、
歯科治療によって生じた明確な咬合
上の問題が認められる場合には、個
別に対応が必要になることがありま
す。
「噛み合わせを一切見ない」という
ことではありません。
噛み合わせを診査しながら、それが
原因なのか、結果として変化してい
るのかを慎重に考えることが重要で
す。
顎関節症のある方が補綴治療を受け
る場合
被せ物、ブリッジ、入れ歯などによ
って噛み合わせや顎の位置が大きく
変化する可能性がある場合には、さ
らに慎重な判断が必要です。
顎関節症の症状がある状態で、すぐ
に最終的な補綴治療へ進むとは限り
ません。
まず顎関節症に対する基本的な治療
を行い、
痛みが落ち着いているか
口の開き方が安定しているか
顎の位置や動きが安定しているか
噛み合わせの状態が安定しているか
などを確認します。
必要な場合には、最終的な被せ物な
どを作る前に、仮の補綴物などを用
いて一定期間経過を観察し、顎関
節・咀嚼筋・噛み合わせがどのよう
に反応するかを確認します。
元に戻すことのできない治療だから
こそ、急いで最終治療へ進まない。
これは、顎関節症を伴う補綴治療に
おいて大切な考え方です。
症状がなくても、顎関節の状態が必
ずしも「元通り」とは限りません
顎関節では、関節円板の位置などに
変化があっても、痛みや開口障害な
どの症状を感じずに生活できている
ことがあります。
身体がその状態に適応し、日常生活
に支障なく機能している場合もあり
ます。
そのため、画像上の変化だけを理由
して、すべてを「正常な形」に戻
すことが治療の目的ではありませ
ん。
一方で、現在うまく適応している顎
の位置や噛み合わせを、補綴治療な
どによって大きく変化させる場合に
は注意が必要です。
必要に応じて顎関節や筋肉の状態を
確認しながら、慎重に治療を進めま
す。
当院が大切にしていること
顎関節症治療で大切なのは、
「噛み合わせを治せば顎関節症が治
る」と単純に考えないこと。
そして同時に、
「噛み合わせは関係ない」と決めつ
けないことだと考えています。
顎関節、咀嚼筋、顎の動き、歯ぎし
り・食いしばり、日常生活、睡眠、
そして噛み合わせ。
それぞれを必要に応じて確認し、現
在どのような状態にあるのかを考え
たうえで、まず身体への負担が少な
く、できるだけ元に戻すことのでき
る治療から始めます。
そして、治療への反応を確認しなが
ら次の治療を判断し、改善がみられ
ない場合や専門的な検査・治療が必
要と判断した場合には、適切な医療
機関へご紹介します。
また、被せ物や入れ歯など、噛み合
わせや顎の位置に関係する補綴治療
を行う際にも、歯だけを見るのでは
なく、顎関節や筋肉を含めた口腔全
体の安定を確認しながら治療するこ
とを大切にしています。
参考
本ページは、日本顎関節学会「顎関
節症初期治療診療ガイドライン
2023改訂版」「顎関節症治療の指
針2025」など、現在の顎関節症治
療の考え方を参考にしています。
― 顎の痛み・口の開けにくさなど、
不快な症状でお困りの方へ ―
「口を開けると顎が痛い」
「食事をすると顎が疲れる」
「口が開きにくい」
「顎の関節から音がする」
こうした症状は、顎関節症でみられ
る代表的な症状です。
顎関節症は、顎の関節だけに問題が
ある病気ではありません。
顎関節やその周囲の筋肉、歯ぎし
り・食いしばり、日中の歯の接触
癖、生活習慣、睡眠、心理社会的な
要因など、さまざまな要因が関係し
て起こると考えられています。
そのため当院では、「噛み合わせだ
け」を原因と考えて治療するのでは
なく、まず現在の症状や顎の状態を
確認し、何が起きているのかをでき
るだけ整理することから始めます。
顎関節症では、まず「現在の状態」
を調べることが大切です
顎関節症といっても、その状態は患
者さんによって異なります。
当院では、症状や必要性に応じて、
いつから、どのような症状があるの
か
どのような動作で痛むのか
口がどの程度開くのか
口を開けたときに顎がどのように動
くのか
顎関節に音があるか
顎関節や咀嚼筋に圧痛があるか
歯ぎしり・食いしばりや日中の歯の
接触癖がないか
現在の噛み合わせや歯の接触状態
日常生活や睡眠などとの関連
などを確認します。
必要に応じて画像検査を行い、さら
に詳しい検査が必要と判断した場合
には、MRIなどの検査が可能な専門
医療機関へご紹介します。
大切なのは、「顎が痛い=すぐに噛
み合わせを変える」と考えないこと
です。
まず症状と病態を把握し、その状態
に合った治療を選択します。
「噛み合わせが悪いから顎関節症に
なる」とは限りません
以前は、噛み合わせの異常が顎関節
症の大きな原因のひとつと考えられ
ていた時代がありました。
しかし現在では、顎関節症はさまざ
まな要因が関係する病気であり、噛
み合わせだけを主な原因と考えるこ
とは適切ではないとされています。
さらに重要なのは、
顎関節症によって顎の位置や動きが
変化し、その結果として噛み合わせ
が変化することもある
ということです。
つまり、
「噛み合わせが変わったから顎関節
症になった」
とは限らず、
「顎関節や筋肉の状態が変化した結
果、噛み合わせが変わっている」
場合もあります。
そのため、噛み合わせの変化が認め
られた場合にも、それを直ちに「原
因」と判断して歯を削ったり、被せ
物を作り直したりするのではなく、
まず顎関節や筋肉を含めた状態を確
認することが重要です。
治療は、身体への負担が少なく元に
戻すことのできる方法から
顎関節症の初期治療では、原則とし
て保存的で、できるだけ元に戻すこ
とのできる治療から始めます。
症状や病態に応じて、
顎関節症についての説明
日常生活での注意やセルフケア
顎や筋肉を休ませるための生活指導
開口訓練などの運動療法
必要に応じた薬物療法
必要に応じた口腔内装置(マウスピ
ース)
などを組み合わせて治療します。
顎関節症では、治療によって「関節
の形を正常に戻す」ことだけを目標
とするのではありません。
痛みを軽減し、口を動かしやすく
し、食事や会話などの日常生活に支
障が少ない状態を取り戻すことを大
切にします。
マウスピースは、作ればよいわけで
はありません
顎関節症の治療では、症状や病態に
よって口腔内装置(マウスピース)
を使用することがあります。
しかし、すべての顎関節症にマウス
ピースが必要なわけではありません。
また、マウスピースにも種類があ
り、顎の位置や歯の接触状態に影響
を与えるものがあります。
そのため、
「顎が痛いから、とりあえずマウス
ピースを作る」
のではなく、顎関節や筋肉、顎の動
き、噛み合わせなどを確認したうえ
で、必要性を判断することが重要で
す。
使用する場合にも、装置を入れたま
ま漫然と経過を見るのではなく、症
状や顎の状態、噛み合わせの変化な
どを確認しながら使用します。
初期治療を漫然と続けないことも大
切です
顎関節症の初期治療では、症状の変
化を確認しながら経過をみていきます。
治療期間は病態によって異なります
が、おおむね1~3か月をひとつの目
安として、治療による改善がみられ
ているかを評価します。
その際には、
安静時や噛んだときの痛みが軽減し
ているか
口の開く量や開けたときの痛みが改
善・安定しているか
症状の日内変動や悪化要因がないか
歯ぎしり・食いしばりや日中の歯の
接触癖などに対応できているか
運動療法や口腔内装置に対してどの
ように反応しているか
などを確認します。
そして重要なのは、改善がみられな
いまま、同じ治療を漫然と続けない
ことです。
顎やその周囲の痛み、口の開けにく
さなどには、一般的な顎関節症とは
異なる病気が隠れている場合があり
ます。
頻度は高くありませんが、腫瘍など
を含め、他の疾患との鑑別が必要に
なることもあります。
そのため、適切な初期治療を一定期
間行っても改善がみられない場合
や、通常の顎関節症とは異なる経過
が疑われる場合には、治療をいたず
らに長期化させず、大学病院など、
より詳しい検査・診断が可能な専門
医療機関へご紹介します。
また、初診時の診察から専門的な評
価が必要と判断した場合には、当院
で治療を開始する前に専門医療機関
をご紹介することがあります。
噛み合わせを変える治療は慎重に考
えます
歯を削って噛み合わせを調整した
り、被せ物によって噛み合わせや顎
の位置を変えたりする治療は、元の
状態に簡単には戻すことができませ
ん。
現在の顎関節症治療では、顎関節症
の症状を改善することだけを目的と
して、最初からこのような不可逆的
な咬合治療を行うことは基本的には
推奨されていません。
まず保存的な初期治療を行い、症状
や顎の状態がどのように変化するか
を確認することが大切です。
一方で、歯科治療によって作られた
被せ物などが明らかに高い、特定の
歯だけが異常に早く接触するなど、
歯科治療によって生じた明確な咬合
上の問題が認められる場合には、個
別に対応が必要になることがありま
す。
「噛み合わせを一切見ない」という
ことではありません。
噛み合わせを診査しながら、それが
原因なのか、結果として変化してい
るのかを慎重に考えることが重要で
す。
顎関節症のある方が補綴治療を受け
る場合
被せ物、ブリッジ、入れ歯などによ
って噛み合わせや顎の位置が大きく
変化する可能性がある場合には、さ
らに慎重な判断が必要です。
顎関節症の症状がある状態で、すぐ
に最終的な補綴治療へ進むとは限り
ません。
まず顎関節症に対する基本的な治療
を行い、
痛みが落ち着いているか
口の開き方が安定しているか
顎の位置や動きが安定しているか
噛み合わせの状態が安定しているか
などを確認します。
必要な場合には、最終的な被せ物な
どを作る前に、仮の補綴物などを用
いて一定期間経過を観察し、顎関
節・咀嚼筋・噛み合わせがどのよう
に反応するかを確認します。
元に戻すことのできない治療だから
こそ、急いで最終治療へ進まない。
これは、顎関節症を伴う補綴治療に
おいて大切な考え方です。
症状がなくても、顎関節の状態が必
ずしも「元通り」とは限りません
顎関節では、関節円板の位置などに
変化があっても、痛みや開口障害な
どの症状を感じずに生活できている
ことがあります。
身体がその状態に適応し、日常生活
に支障なく機能している場合もあり
ます。
そのため、画像上の変化だけを理由
して、すべてを「正常な形」に戻
すことが治療の目的ではありませ
ん。
一方で、現在うまく適応している顎
の位置や噛み合わせを、補綴治療な
どによって大きく変化させる場合に
は注意が必要です。
必要に応じて顎関節や筋肉の状態を
確認しながら、慎重に治療を進めま
す。
当院が大切にしていること
顎関節症治療で大切なのは、
「噛み合わせを治せば顎関節症が治
る」と単純に考えないこと。
そして同時に、
「噛み合わせは関係ない」と決めつ
けないことだと考えています。
顎関節、咀嚼筋、顎の動き、歯ぎし
り・食いしばり、日常生活、睡眠、
そして噛み合わせ。
それぞれを必要に応じて確認し、現
在どのような状態にあるのかを考え
たうえで、まず身体への負担が少な
く、できるだけ元に戻すことのでき
る治療から始めます。
そして、治療への反応を確認しなが
ら次の治療を判断し、改善がみられ
ない場合や専門的な検査・治療が必
要と判断した場合には、適切な医療
機関へご紹介します。
また、被せ物や入れ歯など、噛み合
わせや顎の位置に関係する補綴治療
を行う際にも、歯だけを見るのでは
なく、顎関節や筋肉を含めた口腔全
体の安定を確認しながら治療するこ
とを大切にしています。
参考
本ページは、日本顎関節学会「顎関
節症初期治療診療ガイドライン
2023改訂版」「顎関節症治療の指
針2025」など、現在の顎関節症治
療の考え方を参考にしています。
→ 顎関節症(TMD)治療に関するQ&A
より詳しい情報については、 日本顎関節学会のホームページも ご参照ください。
→日本顎関節学会


