渋谷区恵比寿の歯科医院|SHIRON DENTAL OFFICE(シロンデンタルオフィス)

妊娠前の栄養状態と赤ちゃんの歯の健康について

妊娠前の栄養状態と赤ちゃんの歯の健康

  • 歯は妊娠前から準備が始まっている?

赤ちゃんの歯は、妊娠が始まってからお母さんの体の中で少しずつ作られます。
ところが、妊娠がわかった時点で、すでに歯の「設計図」づくりは始まっているのです。

つまり、妊娠が始まる前からのお母さんの栄養状態が、その後の歯の質にも影響してくる、ということです。

エビデンス(研究からわかっていること)

1. ビタミンDの蓄え(リザーブ)

  • 妊娠前からビタミンDが不足している女性は、妊娠中もずっと血中のビタミンDが低いままになりやすいです。
  • 研究では、妊娠前からビタミンD不足のあったお母さんの子どもは、歯のエナメル質形成不全(白い斑点や弱い歯)が出やすいことが報告されています。
  • 妊娠中にビタミンDを補うとエナメル欠陥が半分くらい減った、という臨床試験もあり、妊娠前から「不足しない状態」に整えておくことが理想的です。

2. カルシウムと骨の健康

  • 妊娠すると、赤ちゃんが急速にカルシウムを必要とするため、お母さんのカルシウム不足はすぐに影響します。
  • 妊娠前からカルシウム摂取が少ない人は、歯や骨の形成に必要な材料が不足するリスクが高まります。

3. 生活習慣や持病

  • 妊娠前から極端なダイエット、偏食、ビタミン不足がある場合、赤ちゃんの歯の発育に影響することがあります。
  • また、**肥満や糖代謝異常(将来的に妊娠糖尿病になりやすい)**も、研究では歯の形成不全と関連があると報告されています。

妊娠前にできること(プレコンセプションケアの視点)

  1. 血液検査でビタミンD不足をチェック
    妊娠を考え始めた時点で一度調べて、不足があれば改善。
  2. バランスのよい食生活を習慣に
    • 魚(サケ、イワシ、サンマなど)
    • 牛乳・ヨーグルト・チーズ
    • 豆腐・納豆など大豆製品
    • 緑黄色野菜
      こうした食事は、歯だけでなく妊娠全体を支える基盤になります。
  3. 適度な日光浴
    ビタミンDは「太陽のビタミン」とも呼ばれます。毎日15〜30分程度、手や顔に日光を浴びるだけでも助けになります。
  4. 持病や体重のコントロール
    妊娠前から糖尿病や肥満があると、赤ちゃんの歯や骨に影響することがあります。早めの健康管理が大切です。

まとめ

  • 赤ちゃんの歯は、妊娠が始まってから作られるけれど、その土台は妊娠前の栄養状態に左右される
  • 特にビタミンDとカルシウムが不足していると、子どもの歯が弱くなり、エナメル質に白い斑点や欠けが出るリスクが上がる。
  • 妊娠を考える段階から、食事・日光・必要ならサプリで栄養を整えておくことが、赤ちゃんの歯を守る第一歩になる。

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