⭐子供とお母さんを守るDOHaD(Developmental Origins of Health and Disease:健康と疾病の発生起源)と歯科の関わりについての4つのまとめ
【4つのまとめ・要点】
- 母体の状態(栄養・感染・喫煙・ストレスなど)が胎児および乳幼児期の口
腔発達に影響し、永久歯・乳歯の石灰化、エナメル形成不全(enamel hypoplasia)、早期むし歯(ECC)や歯槽骨の発達リスクに結びつくという観察的エビデンスが増えている。 - 妊娠中の歯周炎は妊娠合併症(早産・低出生体重など)と関連し得ることが
示され、間接的に子の長期健康(DOHaD的影響)へつながる可能性がある。
妊婦の口腔ケアは母子保健の重要な介入点。 - 「最初の1000日(受胎〜生後2年)」が口腔疾患予防のゴールデンウィンド
ウであり、この時期の介入(母体栄養改善、授乳・離乳指導、早期フッ化物・予防ケア)が子どもの歯科リスクを低減するという考え方が支持されている。 - 機序は多面的:栄養による歯胚のミネラル化影響、発生期の炎症によるプロ
グラミング、エピジェネティクスや免疫発達の変化、家庭内口腔微生物の垂直伝播などが示唆されるが、因果を証明する介入試験は限られる。


