入れ歯のよくある質問
- 総入れ歯で義歯安定剤は有効ですか?
- はい。有効です。
クリームタイプの安定剤は、入れ歯の維持、安定を向上するのに有効です。
入れ歯の動きの抑制、かむ力の向上、口臭の改善、お口のQOLの向上に役立ちます。
- 義歯の清掃に義歯ブラシは有効ですか?
- はい。有効です。
ブラシによる清掃方法が最も簡便でコストも低い方法です。
義歯ブラシの使用者の義歯に対する付着している細菌量は、非使用者と比較して有意に少ないことが報告されています。
また、流水のみでの清掃では、バイオフィルムの除去はできないとの研究報告が出ています。適正に使用することです。
- 義歯洗浄剤はバイオフィルムの除去に有効ですか?
- はい。有効です。
バイオフィルムの除去能は、義歯洗浄剤のタイプにより差があります。
一般に次亜塩素酸系、酸、過酸化物は、微生物に対する作用が強く洗浄効果も高いが、材料に対する影響も大きいです。
一方で、酵素系や生薬は、材料への影響は弱いですが、洗浄力は次亜塩素酸系などより弱いです。
義歯洗浄剤単独よりも、義歯ブラシなどの機械的清掃を併用する方が義歯への微生物付着量は少なくバイオフィルムの除去能も高いです。
- 義歯洗浄剤は毎日使った方が良いですか?
- はい。毎日使用することをお勧めします。
毎日使用することでより良い清掃状態を保てます。
- 入れ歯は寝るときに外した方が良いですか?
- 外した方が良い場合と外さない方が良い場合があります。
虫歯、歯周病および義歯口内炎を予防する観点からは、義歯を外した方が良いです。
しかし、かみ合う歯が少ない場合、残っている歯や土手の保護のために、装着したまま寝る方が良い場合があります。
- ノンメタルクラスプデンチャーは有効ですか?
- 条件付きで有効です。
このタイプの入れ歯の設計において、従来のクラスプデンチャーの設計理念を踏襲しながら、この入れ歯のメリットを組み込んだものにすれば有効です。
出来るだけ金属構造を併用した設計にすることが大切です。
患者さんに見た目と装着感において好評を得ています。
- 入れ歯は水の中に保管した方が良いですか?
- 完成した入れ歯は、少なくとも寸法が安定するまでの期間(約1か月以上)は、水中で保管することが望ましいです。
しかし、完成後1か月以上を経過した入れ歯については、乾燥や変形防止を目的とした夜間水中保管の必要はなく、義歯洗浄剤を用いて水中保管することが最善です。
- 保険の入れ歯と自費の入れ歯の違いは何ですか?
- 使用する材料の種類の幅、全体の強度、見た目の自由度、装着感、費用が違います。
使用する材料の種類は国民健康保険ではいくつかの決められた材料から選択することになり、入れ歯にベストな材料とは限りません。自費の場合、選択可能な材料は数多く多くの設計が可能となります。
入れ歯全体の強度は、広く金属を使用することで、完成した入れ歯の強度を上げることができます。またポリアミドやポリエステル系の床材料を使用することでも破折を軽減できます。
見た目は、自費の入れ歯の方が金属のデザインに自由度があり、金属部分を目立ちにくくできます。また、ノンクラスプデンチャーに用いられるポリアミドやポリエステル系の材料により従来の金属を使ったデザインを使用しないことで見た目が良くなります。
見た目の自由度では、保険の入れ歯に比べ、自費の入れ歯は、従来の金属の設計に準じた設計、より金属が見えないように設計できるタイプまで幅広い選択肢があります。
装着感は、自費の場合、薄い剛性の高い金属を用いることでより良い装着感が得られます。
費用は、自費の入れ歯の場合、保険の入れ歯に比べ高いです。おおよそ数万円から数百万円かかります。
また、保険でも使用できる材料を使ったとしても、術者の技量や製作工程により自費の入れ歯になるケースもあります。
例えば、入れ歯名人といわれる方が、より多くの時間と多くの工程(個人トレー、筋形成、シリコーンゴム印象等)を経て装着する場合、自費になる場合があります。
- 入れ歯は一生持ちますか?
- 入れ歯は一生持ちません。定期的な調整や交換が必要です。
個人差や入れ歯を作った状況によりますが、一般的に、入れ歯の寿命は5~10年程度と言われています。使用状況やメンテナンスによっても異なります。
- 部分入れ歯とブリッジの違いは何ですか?
-
比較項目 |
部分入れ歯 |
ブリッジ |
固定方法 |
取り外し式 |
固定式(ない歯の前後の歯に連結) |
適応範囲 |
失った歯が多い場合にも対応可能 |
両隣に利用可能な健康な歯と歯周組織が必要 |
装着感 |
慣れるまで違和感がある |
自然な噛み心地に近い |
見た目 |
金属のバネが見えることがある |
前歯の場合、自然な見た目になりやすい |
手入れ |
取り外して入れ歯を洗浄する |
通常の歯磨きと補助的清掃道具でのケア |
費用 |
保険適応の場合、ブリッジより安価 |
保険適用でも入れ歯より高くなる |
歯への負担 |
周囲の歯に負担が少ない |
支えとなる歯を削る必要があり土台にも負担がかかりやすい |
耐久性 |
修理や交換が必要になることが多い |
長期間使用可能だが、支えの歯に負担がかかる |
- レジン歯とは何ですか?
- メチルメタクリレート主成分としたアクリリックレジンによる人工歯です。
- レジン床とは何ですか?
- 歯肉色のレジンを材料とする義歯床です。
- レジン床義歯とは何ですか?
- 義歯床が床用レジンで作られた有床義歯です。
- レストとは何ですか?
- 部分床義歯において、義歯床、バーなどから突出し、支台歯のレストシートに適合する金属製の小突起です
- レストシートとは何ですか?
- レストを受け入れるために支台歯に形成される小窩です。
- アーラインとは何ですか?
- 口蓋の可動部と不動部の境界線。
- RPIクラスプとは何ですか?
- 近心レスト、隣接面板、Iバーの3部分から構成される支台装置です。
- RPAクラスプとは何ですか?
- RPAクラスプのIバーに代えてエーカースクラスプ型の鉤腕を組み合わせた支台装置です。
- アイヒナーの分類とは何ですか?
- 歯列の欠損形態の分類法の1つです。
上下顎の咬合状態を重視しており、左右の小臼歯部および大臼歯部の4ブロックの咬合支持に分けて、それぞれに安定した咬合関係が存在するかどうかで3型に分類したものです。
- 移行義歯とは何ですか?
- 比較的早期に、抜歯とそれに伴う義歯の修理や新製が予測された場合、その期間の機能と審美性を確保するために使用される入れ歯です。
- 維持腕とは何ですか?
- 部分床義歯を維持する目的で設計された鉤腕です。
- 印象とは何ですか?
- 歯、顎堤、顔面などの形態を再現するために採得された陰型です。
- インプラント義歯とは何ですか?
- 義歯床負担域の軟組織の下にある顎骨表面あるいはその内部に設置された人工的構造物から支持・把持・維持力を与えられる入れ歯です。
- オーバーデンチャーとは何ですか?
- 歯根あるいはインプラントを被覆する形態の可撤性の入れ歯です。
- インプラントオーバーデンチャーとは何ですか?
- 2本もしくは4本のインプラント(人工歯根)を顎の骨に埋め込みその上を覆う入れ歯です。インプラントと固定して利用するため、通常の総入れ歯(フルデンチャー)と違い、 ズレにくく、外れにくい安定感があるのが特徴です。
- 部分入れ歯と総入れ歯の違いは何ですか?
- 部分入れ歯と総入れ歯の比較
項目 |
部分入れ歯 |
総入れ歯 |
使用対象 |
一部の歯を失った場合 |
すべての歯を失った場合 |
固定方法 |
クラスプ(留め具)を残った歯にかける |
吸着力で固定 |
違和感 |
ない歯が少ないほど総入れ歯に比べ少ない |
慣れるまで時間がかかる場合がある |
見た目 |
金属の留め具が見えることがある |
良好な外観 |
噛む力 |
自分の歯と入れ歯両方で負担するので総入れ歯よりかむ力は強くなる |
かむ力は弱くなる |
- オールオンフォー(All-on-4)とは、何ですか?
- 歯がすべて抜けてしまった場合に、上または下の顎に4本のインプラントを埋め込み、それを土台にして固定式の人工歯(ブリッジ)を装着する方法です。
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