簡単に言うと、前歯に応用されている低侵襲な治療法であるラミネートベニアの奥歯用と考えて頂ければと思います。
オクル-ザルベニアは、ガラスセラミックやジルコニアなどの歯冠色材料を用いた奥歯である臼歯部咬合面(真上の部分)に対する部分被覆冠であり、真上の部分のみに薄く被せるため、歯質の削除量が非常に少ない治療法です。
「オクル-ザルベニア」って言葉は、皆様あまりお聞きになったことがないと思います。
それもそのはず、我々歯科医師でさえ、知っている人の方が少なく、実際に治療に取り入れている先生方はさらに少ない部分的な被せ物です。
この方法を専門とする日本最大の学会である日本補綴歯科学会でも、やっと最近取り扱い始めたテーマなのです。
しかしながら、この方法は、現在、前歯への定番の修復方法の一つになっているラミネートベニア法が、かつて前歯に応用が始まった際に大学にいる臨床家や一般臨床家から受けた強い逆風の時代と違う地点にいます。
歯科臨床の現在地は、歯質保存の重要性が十分に定着し、接着材料、技術の更なる進歩もしております。
一般臨床や学生教育に定着するまでに長い年月がかかったラミネートベニア法と違い、早期に今後の治療選択の定番になる非常に有効なものです。
今は、脱離、取れにくくするために、あえて歯を広く削って被せる時代は終わりました。