🦷ブラックトライアングルとは?
✅ 定義
ブラックトライアングル(Black Triangle)とは、歯と歯の間の歯肉(歯間乳頭)が退縮することで、
歯と歯の間に黒っぽい三角形の隙間が生じた状態を指します。
これは口を開けたときに目立ちやすく、審美的に気になる症状です。
📷見た目の特徴
- 歯と歯の間に黒い影のような「三角形のすき間」が見える
- 特に前歯(中切歯〜犬歯)で目立つ
- 若い頃はなかったのに、加齢とともに出現するケースも多い
🔍なぜブラックトライアングルができるの?
主な原因は以下の通りです
原因 | 解説 |
🪥 歯周病(歯肉退縮) | 歯槽骨や歯肉が下がり、歯間乳頭が消失する |
🧼 過剰な歯間ブラッシング | 歯間ブラシの使い過ぎで歯肉が下がることがある |
🦷 歯列矯正後の歯の位置変化 | 歯が整列すると歯と歯の接触面が変わり、すき間ができやすくなる |
🪄 歯の形態異常 | 三角形に近い歯(切縁が狭く、歯頸部が広い)は乳頭が入りにくい |
👄 加齢・自然退縮 | 年齢とともに歯肉が痩せてくる |
📈ブラックトライアングルの分類(Jemtの分類)
クラス | 特徴 |
クラス0 | 歯間乳頭が完全に存在している(正常) |
クラス1 | 歯間乳頭が少し退縮しているが、接触点まで届いている |
クラス2 | 歯間乳頭が退縮し、接触点に届かない(明確なブラックトライアングル) |
クラス3 | 重度に退縮し、骨レベルもかなり下がっている |
💢どんな問題が起こるの?
種類 | 説明 |
✅ 審美性の低下 | 黒い隙間が見えることで、老けた印象・不潔な印象に |
✅ 発音障害 | 空気が漏れて、サ行・タ行の発音が不明瞭になることがある |
✅ 食片圧入 | 食べ物が詰まりやすくなり、不快感や炎症の原因に |
✅ 口臭の原因 | 食べ物が残りやすく、プラークが溜まりやすくなる |
🛠️治療法(対応方法)
ブラックトライアングルの治療は、原因・症状の程度・患者さんの希望に応じて異なります。
① 歯周治療(原因の除去)
- 歯周病の進行を止める治療(ペリオドンタルデブライドメント)
- 歯肉の炎症がある場合はまず治療が最優先
② 歯間ブラシや清掃方法の見直し(過度の刺激は禁物!)
- 過度なサイズの歯間ブラシ使用を中止
- 清掃圧や頻度の調整指導
③ レジン(コンポジットレジン)による歯の形態修正
- 歯と歯の間にレジンを盛って形を工夫し、隙間を目立たなくする
- 痛みがなく、即日対応可能な審美修復
④ 歯肉再生療法(歯間乳頭再建)
- 外科的に歯間乳頭を再生させる高度治療
- 難易度が高く、成功率には個人差がある
- 組織移植やバイオマテリアルの使用を伴うことも
⑤ ラミネートべニアによる治療
- セラミックなどで歯の形を再設計して隙間を目立たなくする
- 審美性は高いが、歯を削る場合がある
⚠️注意点
- 完全な治療が難しい場合もあります(特に骨の喪失が大きい場合)
- 対症療法になることが多く、根本治療ではないケースもあります
- 治療前には、原因(歯周病、矯正後の変化など)の評価が非常に重要
📝まとめ
ポイント | 内容 |
原因 | 歯周病、歯列矯正、加齢、清掃のしすぎなど |
問題点 | 審美障害・食べ物が詰まる・発音障害など |
主な対応 | レジン修復、歯肉再建、清掃指導、形態修正など |
対応方針 | 歯周状態を確認したうえで、審美・機能のバランスを考えて治療選択 |