渋谷区恵比寿の歯科医院|SHIRON DENTAL OFFICE(シロンデンタルオフィス)

歯の神経を取る治療を出来るだけ早く終わらせるわけ

⭐抜髄治療(神経を取る治療)をできるだけ短い回数で終わらせるべき理由は、
主に以下の3つにまとめられます。

🦷 ① 治療中の歯は「無防備」だから

抜髄を行った歯は、神経と血管がなくなっているため内部からの抵抗力がゼロになります。
また、治療途中では仮の蓋(仮封材)しかしていないため、

唾液中の細菌が入りやすい

以前の感染が再燃しやすい

というリスクが高くなります。
治療が長引くと、せっかく消毒した根の中が再び感染する可能性が高まります。

🦠 ② 細菌の再感染を防ぐため

抜髄治療の目的は、「根の中の細菌を完全に除去して密封する」ことです。
ところが、回数が増えるとその分、根管内に新たな細菌が侵入するチャンスが増えます。
特に仮封が少しでも緩むと、わずかな期間でも唾液由来の細菌が入り込み、治療効果を下げてしまいます。

➡ したがって、短期間・少回数で根管を清掃し、早く密閉(根管充填)することが理想です。

💪 ③ 歯の強度を保つため

治療中の歯は削って空洞ができており、構造的に弱くなっています。
期間が長くなると、

仮の蓋が取れて中が汚染されたり、

破折(ひび割れ)したりするリスク

が高まります。
短期間で治療を完了させることで、歯の破折や再治療のリスクを減らすことができます。

🩺 まとめ

① 治療中の歯は感染しやすい状態だから
② 細菌再感染を防ぐために、早く密閉する必要がある
③ 治療中の歯の強度を保つため

💬 患者さんへ

「神経を取った後の歯は、内部が空洞になり、外からの細菌が入りやすい状態です。
そのため、治療をできるだけ間をあけずに、短い回数で終えることで、歯を清潔に保ち、再感染を防ぐことが重要です。

さらに早く終わらせられる大事なこととして

抜髄治療を短い回数で終わらせられる背景には、「根管壁を必要以上に削らない」=感染が少ないうちに処置を終えるという考え方が深く関係しています。

🦷 根管壁を削らないことが時間短縮につながる理由

① 感染の範囲が広がっていないから、清掃が少なくて済む

抜髄治療の中でも、初期の段階(感染が根尖部まで広がっていない状態)であれば、
根管壁の象牙質はまだ細菌感染を受けていません。

そのため、

広範囲に削る必要がなく、
根管の形態も保たれ、
清掃・洗浄も比較的短時間で済む
という利点があります。


② 必要最小限の機械的拡大で、歯の寿命を守れる


根管を削りすぎると、歯の壁が薄くなり破折(ひび割れ)リスクが上がります。
最近の根管治療は「ミニマルインターベンション(必要最小限の介入)」が主流で、感染が軽度な症例では根管を大きく削らず、洗浄を中心に清掃します。
つまり、
「感染が少ない → 削る量が少ない → 処置時間が短くなる」
という好循環が生まれます。

③ 最新機器の進歩も「短時間・低侵襲」を後押し

エンドモーター(Ni-Tiファイル)やエルビウムヤグレーザーなどの使用により、
根管の内面を効率よく洗浄・殺菌できるようになりました。
これにより、機械的拡大を最小限にしても十分な殺菌効果を得られるため、
結果的に治療回数を減らすことができます。

🩺 結論
根管壁が感染していないうちに治療を行えば、
削る量を必要最小限に抑えられ、
歯の寿命を守りながら治療回数も短縮できます。
つまり、「早期・低侵襲な抜髄治療」が、時間短縮と治療成功率の両立につながります。
患者さんは様々な理由で治療を中断される場合があります。
この神経を取るという治療を中断するリスクは歯を守るために非常に大きなリスクとなりますので、優先順位を上げて治療されることを希望します。

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