渋谷区恵比寿の歯科医院|SHIRON DENTAL OFFICE(シロンデンタルオフィス)

口腔機能の向上に役立つ「パタカラ体操」と「あいうべ体操」について

⭐口腔機能の向上に役立つ「パタカラ体操」と「あいうべ体操」について

「パタカラ体操」は、口の周りの筋肉(口輪筋)や舌・頬・唇などの動きを鍛えるための口腔機能訓練の一つです。
特に高齢者や嚥下(えんげ:飲み込み)機能が低下してきた方、発音が不明瞭になってきた方、口腔周囲の筋力が衰えてきた方に効果的とされています。

🗣️ パタカラ体操とは?

口を動かすことで「話す」「食べる」「飲み込む」といった口の機能を保つ・改善するための体操です。
それぞれの「音」には、使われる筋肉や動きに特徴があります。

【パ】 唇を閉じて開く(口輪筋)
    唇をしっかり閉じる力を高め、食べこぼし予防
【タ】 舌先を上あごにつける(舌尖)
    舌の動きを良くし、発音・飲み込みの改善

【カ】 舌の奥を動かす(舌根)
    食べ物を喉の奥へ送る力を高める

【ラ】 舌を巻く(舌全体)
    舌の柔軟性を高め、滑舌改善

🏋️♀️ 行い方(基本のやり方)

  1. 背筋を伸ばして姿勢を整えます。
  2. ゆっくり、はっきりと大きな口で言いま
     す。
  3. パ・タ・カ・ラ
     パ・タ・カ・ラ
     パ・タ・カ・ラ

のように、1日2~3回、1回につき5~10回程度繰り返します。

  1. 慣れてきたら、テンポよくリズミカルに繰り返すのもおすすめです。

💡 【効果】

⭐唇・舌・頬の筋肉を鍛える

⭐発音・滑舌がよくなる

⭐食べこぼしやむせを予防

⭐唾液の分泌を促進して口の乾燥を防ぐ

⭐認知機能維持にも良い影響があると報告されています

🧠 【ワンポイントアドバイス】

⭐発音を大きく、ゆっくりとはっきりとするのがコツです。

⭐テレビを見ながら・入浴中・歯磨き後など、生活の中で習慣化するのがおすすめ。

⭐入れ歯を外した状態でもできますが、装着したままの方が普段の動きに近くなります。

⭐無理のない範囲で行い、痛みや疲れがある場合は休みましょう。

「あいうべ体操」

「あいうべ体操」は、多くの歯科医院や歯科衛生士によって積極的に推奨され、口腔ケアの一環として活用されています。

「あいうべ体操」は、福岡県のみらいクリニック院長である今井一彰先生が考案された、口呼吸を鼻呼吸に改善することを主な目的とした簡単な口と舌の体操です。

​【目的と効果】
​口呼吸の改善: 口や舌の筋肉を鍛え、舌の正しい位置(上あごに軽く触れている状態)を保ちやすくすることで、自然と口が閉じて鼻呼吸ができるように導きます。

​免疫力の向上: 鼻呼吸になることで、鼻毛や鼻粘膜がフィルターの役割を果たし、細菌やウイルスの侵入を防ぎやすくなると期待されています。

​口腔内の健康: 口呼吸によるドライマウスや口臭、虫歯・歯周病のリスク低減につながります。

​その他の効果: いびきの改善、顔周りの引き締め(小顔効果)、ほうれい線などのしわの改善、脳の活性化なども期待されています。

​基本的なやり方
​「あー」: 口を大きく開ける。(普段より大きめに)
​「いー」: 口を大きく横に広げる。(首に筋が張るくらいまで)
​「うー」: 口を強く前に突き出す。(しっかりと唇をすぼめる)
​「べー」: 舌を突き出して下に伸ばす。(顎の先をなめるように)
​声は出しても出さなくてもかまいません。
​それぞれの動きをゆっくりと、しっかりと筋肉を使うように行います。

​1~4までを一連のセットとし、1日30セットを目安に毎日続けることが推奨されています(例:食後に10回ずつなど)。

​顎関節症などで痛みがある場合は、「いー」「うー」のみを繰り返すなど、無理のない範囲で行ってください。

内科医によって考案された体操ですが、その主な目的である「口呼吸の改善」が、歯科分野における様々な問題の予防・改善に大きく関わってくるためです。

​歯科との具体的な関わりは以下の通りです。

​1. 虫歯・歯周病の予防・改善
​ドライマウスの解消: 口呼吸は口の中を乾燥させ、唾液の持つ自浄作用や抗菌作用を低下させます。
その結果、虫歯や歯周病のリスクが高まります。「あいうべ体操」で鼻呼吸を習慣づけることで、唾液の分泌が促され、口腔内の乾燥(ドライマウス)が改善し、虫歯・歯周病の予防につながります。

​2. 歯並び(歯列不正)への影響
​舌の正しい位置の獲得: 本来、舌は上あごのくぼみ(口蓋)にぴったりと付いているのが正しい位置です。
口呼吸の人は舌の筋力が弱く、舌が下に下がっている(低位舌)ことが多く、これが歯並びに悪影響を与えることがあります。
あいうべ体操は舌の筋肉を鍛え、舌を正しい位置に戻すのを助けます。

​口周りの筋肉のバランス: 口周りの筋肉(口輪筋や頬筋)と舌の筋肉がバランス良く働くことで、歯は正しい位置に保たれます。

あいうべ体操はこれらの筋肉を鍛え、特に小児の舌の悪習癖(舌癖)や咀嚼機能のサポートにも役立ちます。

​3. 矯正治療の効果の維持
​歯列矯正で歯並びを整えても、口呼吸や舌の癖が治っていないと、歯が元の位置に戻ろうとする(後戻り)リスクが高まります。
​多くの歯科医師は、矯正治療と並行してあいうべ体操を推奨し、治療後のきれいな歯並びを維持するための重要なトレーニングと位置づけています。
​このように、「あいうべ体操」は単なる体操ではなく、口腔機能を高めるためのトレーニングとして、歯科医療の現場で重要な役割を担っています。

ページの先頭へ

お電話
ご予約