渋谷区恵比寿の歯科医院|SHIRON DENTAL OFFICE(シロンデンタルオフィス)

歯ブラシは歯周病予防に役立つが虫歯予防にはならないという見解について

⭐「歯ブラシは歯周病予防に役立つが、う蝕予防にはならない」という見解

【ブラッシングの効果に対する明確な答え】

​1. 歯周病予防に役立つ理由


​歯周病の原因: 歯周病の主な原因は、歯周ポケット内部や歯の表面、歯肉の境目に付着するプラーク(歯垢)に含まれる細菌です。

​歯ブラシの役割: 歯ブラシは、このプラークを機械的に除去するための最も基本的なツールです。
特に歯周病の初期段階である歯肉炎は、歯肉の境目のプラークを除去することで大きく改善します。

​結論
歯周病予防は、原因の除去であるプラークの除去(清掃)が極めて重要であり、歯ブラシはその役割を十分に果たします。

​2. う蝕(虫歯)予防になりにくい理由


​う蝕の原因
う蝕は、特定の細菌が糖分を分解して作り出す酸によって、歯の成分が溶け出す(脱灰)ことで発生します。

​歯ブラシの限界
歯ブラシの毛先が届きにくい特定の場所からう蝕が発生しやすいため、歯ブラシ単独では予防が難しいとされています。

​【届きにくい場所】
〇奥歯の溝(小窩裂溝)の内部
歯ブラシの毛先が細部の溝まで入らないため、プラークが残りやすい。

​〇歯と歯の間(隣接面)
歯ブラシの毛先が物理的に届かないため、デンタルフロスや歯間ブラシが必要になる。

​☞う蝕予防の主役はフッ化物: う蝕予防において、歯磨きによるプラーク除去はもちろん大切ですが、それ以上にフッ化物(フッ素)の作用が極めて重要です。

​フッ化物は、歯の質を強化したり、溶けかけた歯の修復(再石灰化)を促したり、細菌の酸産生を抑えたりする化学的な働きがあり、これがう蝕予防の強力なエビデンスとなっています。

​結論


歯磨きはあくまでプラークの除去という清掃行為であり、う蝕になりやすい部位への対応や歯質の強化といった「根本的な予防」には、フッ化物などの他の手段が不可欠であるため、「歯ブラシ単独では効果がない」と言われることがあります。

​この見解は、「歯ブラシは歯周病の原因菌の塊であるプラークを物理的に取り除くのに非常に有効だが、う蝕の好発部位への対応や歯質の強化という点では不十分であり、他の予防法(特にフッ化物応用)を併用することが必要である」という、現在の予防歯科における主流な考え方を反映しているものと言えます。

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