親知らず(智歯)Q&A集
親知らずの基本について
- 親知らずは必ず抜かなければいけませんか?
- すべての親知らずを抜く必要はありません。正常に生えて噛み合わせが良く、歯みがきできる場合は残せます。
- 親知らずは何歳くらいで生えてきますか?
- 一般的に17〜25歳頃です。ただし、生えない人や30代以降に動き出す人もいます。
- 親知らずが横向きに生えるのはなぜですか?
- 顎のスペースが不足しているためで、現代人は顎が小さくなっているため増えています。
- 親知らずがあるかどうかはどうやって調べますか?
- パノラマレントゲン(全体レントゲン)やCTで確認します。
抜歯が必要かどうか
- 親知らずを抜いた方が良いと言われるのはどんな時ですか?
- 横向き・斜めに生えている。部分的にしか生えておらず腫れを繰り返す。
隣の歯(第二大臼歯)を虫歯・歯周病にする。嚙み合わせに不調をきたす
矯正治療の邪魔になる
- 親知らずが虫歯になりやすいのはなぜ?
- 奥にあり歯ブラシが届きにくいためです。特に半分埋まった親知らずは清掃が困難です。
- 親知らずのせいで手前の歯が虫歯になりますか?
- よくあります。親知らずを覆う歯肉と手前の歯の間に汚れがたまりやすいためです。
- 親知らずが生えていると歯並びが悪くなりますか?
- 完全な因果関係は明確ではありませんが、押されることで前歯がガタつくケースもあります。
痛み・腫れについて
- 親知らずの抜歯は痛いですか?
- 麻酔が効いていれば術中痛みをほとんど感じません。
術後に痛みが出るのは通常2〜3日ですが処方薬である程度コントロールが可能です。
- 抜歯後どのくらい腫れますか?
- 一般的に2〜3日がピークで、1週間ほどで落ち着きます。
- 抜歯後、口が開きにくくなるのは普通ですか?
- はい。奥の筋肉が炎症を起こすためで、1週間ほどで改善します。
- 術後の痛みはどの程度ですか?
- 鎮痛薬でコントロールできる程度がほとんどです。激痛が続く場合はドライソケットの可能性があります。
術後のトラブル(ドライソケット・感染など)
- ドライソケットとは何ですか?
- 抜歯後の穴に血の塊ができず骨が露出し、強い痛みが出る状態です。
- ドライソケットの原因は?
- うがいのしすぎ、喫煙、血が固まりにくい、抜歯が難症例だった
- 抜歯後に膿が出ることはありますか?
- 感染すると出ます。その場合は消毒や抗生剤の服用が必要です。
- 抜歯後に熱が出るのは異常ですか?
- 軽度の微熱は正常ですが、38℃以上が続く場合は感染の可能性があります。
手術の難易度・方法
- 親知らずは簡単に抜けるものと抜けないものがあるの?
- はい。まっすぐ生えている=簡単。 横向き・骨の中に埋まっている=難しい
- 横向きの親知らずはどうやって抜くの?
- 歯肉を切開→骨を削る→歯を分割する。
というステップで安全に行います。
- 抜歯にどれくらい時間がかかりますか?
- 簡単なケース:5〜10分。
埋伏歯:20〜60分
一般的に上顎の親知らずの方が根の形が単純なため抜きやすい傾向にあります。
- CT撮影は必要ですか?
- 下顎の親知らずが神経(下歯槽神経)に近い場合は必須です。
下顎の親知らず特有のリスク
- 下の親知らずの抜歯で神経の麻痺が出ることはありますか?
- 可能性はわずかにあります(0.5〜1%程度)。ほとんどは一過性で数週間〜数か月で回復します。
- 顎の骨が折れることはありますか?
- 非常に稀ですが可能性はあります。高齢者・骨が弱い方などは注意が必要です。
上顎の親知らず特有のリスク
- 上の親知らずの抜歯で副鼻腔に穴が空くことがありますか?
- はい(上顎洞穿孔)。大きく開かなければ自然に治癒します。
- 抜歯後、鼻に空気が漏れる感覚があるのは?
- 上顎洞と交通した可能性があり、早めの診察が必要です。
日常生活・食事・ケア
- 抜歯当日は食事できますか?
- できますが、麻酔が切れてから柔らかいものを推奨します。
- うがいはしても良いですか?
- 血の塊が流れないよう、強いブクブクうがいは24時間避けます。
- 入浴・運動はいつからできますか?
- 当日は避け、翌日から軽めなら可能です。激しい運動は3日ほど控えます。
- 飲酒はいつから?
- 2〜3日は控えてください。腫れや出血が悪化します。
- 喫煙はいつから?
- 最低48時間は禁止。喫煙はドライソケットの最大要因です。
- 抜糸が必要ですか?
- 通常は1週間後に行います。溶ける糸の場合は不要です。
矯正との関係
- 矯正前に親知らずを抜いた方がいいのはなぜ?
- 移動した歯が後ろに押し戻されて歯並びが乱れる可能性があるためです。
- 矯正治療中に抜歯することもありますか?
- はい。タイミングは矯正医が判断します。
妊娠・授乳との関係
- 妊娠中に親知らずが腫れました。抜けますか?
- 安定期(妊娠中期)なら可能ですが、急性症状がなければ出産後のほうが安全です。
- 授乳中に薬は使えますか?
- 多くの薬は安全ですが、医師の指示に従ってください。
親知らずを残すメリット
- 親知らずを移植(歯牙移植)に使えるって本当?
- はい。虫歯で抜いた歯の代わりに使える場合があります。年齢が若いほど成功率が高いです。
- 親知らずをブリッジの支台にすることはできますか?
- 一部のケースでは可能です。ただし、歯の萌出している方向や萌出面積によって支台にすることが難しいケースがあります。
抜くタイミング・年齢
- 何歳までに抜くのが良いですか?
- 20代が一般的に最も安全で治りが早いです。
- 30〜40代で抜くと危険ですか?
- 骨が固くなって難易度が上がりますが、安全に抜歯できます。
- 痛くないのに抜いた方がいい場合はありますか?
- 虫歯や歯周病など隣の歯への悪影響が予測されれば、その角度・位置により予防的抜歯をすすめることがあります。
費用・保険・通院回数について
- 親知らずの抜歯は保険が使えますか?
- はい。多くの場合保険適用です。
- 抜歯は1回で終わりますか?
- 基本は1回ですが、腫れた状態だと当日は抜かずに抗生剤で落ち着かせてから行います。
- 入院が必要なことはありますか?
- 横向きで深く埋まっている症例や4本同時抜歯では、大学病院での全身麻酔を選ぶ人もいます。>
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