⭐乳歯のむし歯は、見つけたらすぐに削って詰めるべきか
結論(最初に)
乳歯のむし歯は
「見つけたらすぐ削って詰める」ことが
必ずしも最善ではありません。
乳歯のむし歯治療は
👉 歯そのものだけでなく「年齢・進行度・子どもの発達・生活背景」を含めて判断する医療です。
1) なぜ「削って詰める」が最優先にならないのか
① 乳歯は「いずれ抜ける歯」だが、役割は大きい
乳歯の役割:
咀嚼機能
発音の補助
顎の発育
永久歯の位置誘導
心理的安定
👉 むし歯=すぐ削除ではなく「機能を守る」視点が必要
➁乳歯のむし歯は進行が早い
エナメル質・象牙質が薄い
歯髄が大きい
👉 削る=歯髄露出リスクが高い
一度大きく削ると
失活
早期脱落
感染拡大 につながる可能性もあります。
③幼児期の「治療体験」が将来を左右する
無理な治療は
歯科恐怖症
医療不信
生涯にわたる受診回避
👉1本の歯より、その子の将来の歯科受診行動の方が重要
2) 進行度別:考え方の違い
〇【初期むし歯(白く濁る段階)】
穴はあいていない
痛みなし
▶ 削らない治療が第一選択
フッ素
生活習慣改善
定期管理
〇【浅いむし歯(小さな穴)】
痛みなし
限局的
▶ 状況次第で削らず管理 or 最小限の処置
フッ素+経過観察
行動調整が可能なら最小侵襲治療
〇【中等度以上(痛み・進行あり)】
食事でしみる
明らかな穴
▶ 治療が必要 ただし:
一度に完結させない
子どもの状態を最優先
〇【重度(腫れ・感染)】
▶ 治療優先
歯髄処置
抜歯
感染コントロール
3) 「削らない=放置」ではない
ここが最大の誤解です。
削らない選択とは:
積極的な管理
保護者指導
定期フォロー
👉 放置とは真逆の医療
4) 世界的な小児歯科の考え方(最新の流れ)
近年は
☞MI(Minimal Intervention)
☞CAMBRA
☞非侵襲的管理
が主流になっています。
👉 「削る前にできることを尽くす」
5)それでも「治療を優先すべき」ケース
以下は例外的に治療優先です:
・痛みがある
・感染兆候(腫れ・膿)
・咀嚼障害
・永久歯に影響が出る位置
・管理が継続できない家庭環境
6) 親が知っておくべき判断軸
歯科医に聞いてほしい質問:
今は削らずに管理できますか?
どのくらいの頻度で診れば良いですか?
家庭で何を変える必要がありますか?
今削るメリットとデメリットは?
7) まとめ(本質)
乳歯のむし歯治療で最も大切なのは
「歯を削ること」ではなく、
「その子が将来も歯を大切にできる状態を作ること」
【親御さんへの一言】
焦らなくていい
比べなくていい
正解は1つではない
子どもと家庭に合った治療が最善の治療です。


