オーラルフレイルってなに?
~お口の衰えが、全身の健康に影響します~
オーラルフレイルとは?
「最近、噛みにくくなった」「むせやすい」「食べるのが遅くなった」
それ、お口の“衰え”かもしれません。
オーラルフレイルは、「お口のささいな衰え」から始まり、やがて身体や心の機能低下(フレイル)にまでつながる状態のことです。
早めの気づきとケアで、健康を守りましょう!
こんな症状、ありませんか?
- 食べこぼしが増えた
- うまく飲み込めない・よくむせる
- 滑舌が悪くなった
- 硬いものを避けるようになった
- 口が乾きやすい
- 会話が減った・声が小さくなった
これらはすべて、オーラルフレイルのサインです!
予防の3つのポイント
① お口の清掃を毎日しっかり!
- 歯だけでなく、舌の掃除も大切です
- 入れ歯も毎日洗いましょう
- 定期的に歯科検診を受けましょう
② よく噛んで、よく話そう!
- 「パ・タ・カ・ラ体操」で舌や口の筋肉を鍛えましょう
- 家族や友人との会話を増やすことも効果的!
パ・タ・カ・ラ体操とは?
「パパパ…」「タタタ…」「カカカ…」「ラララ…」と繰り返す簡単な口の体操です。
1日3回、毎日つづけましょう!
③ しっかり食べて、しっかり動こう!
- よく噛んで食べると、脳の活性化にもつながります
- タンパク質・野菜・水分をしっかり摂りましょう
- 軽い運動やお散歩も大切です
歯科医院でもサポートします!
お口のチェックやケアは、歯科医院でも受けられます。
「口腔機能低下症」の診断や治療も保険で対応できますので、気になる症状があれば、お気軽にご相談ください。
SHIRON DENTAL OFFICE(シロンデンタルオフィス)
🕒受付時間:9:30~18:00(月、火、木、金、土)
📝 一緒に健康寿命を延ばしましょう!
オーラルフレイルの予防は、「自分らしく生きる力」を守る第一歩。
今日からできることから始めて、いつまでも元気なお口と体を保ちましょう!
オーラルフレイルをさらに詳しく知りたい患者様に!
「オーラルフレイル(oral frailty)」は、高齢者の口腔機能の軽微な衰えから始まり、やがて身体的・精神的な衰え(全身のフレイル)へとつながっていく一連の流れを指す概念です。
日本で生まれた比較的新しい用語であり、地域包括ケアや健康寿命延伸の鍵として注目されています。
オーラルフレイルとは?
定義(日本老年歯科医学会)
「加齢に伴って、口のささいな衰え(滑舌の低下、食べこぼし、咀嚼力の低下など)が積み重なり、やがて食機能障害や全身の衰え(フレイル)に結びつく状態」
重要なキーワード3つ
1 ささいな口の衰え
2 気づきにくい初期変化
3 予防・回復が可能
オーラルフレイルの4つの段階
段階 | 特徴 | 例 |
① 口の機能に関心がない | 自覚がない | 噛みにくくても放置 |
② 軽微な口腔機能低下 | 些細な症状 | 食べこぼし、滑舌低下、むせ |
③ 明らかな機能障害 | 食機能低下 | 義歯不適合、咀嚼困難、誤嚥 |
④ 食べる力の喪失 →全身フレイルへ | 栄養・運動能力の低下 | 低栄養、サルコペニア、介護状態 |
代表的な症状・兆候7つ
1 滑舌が悪くなる(パ・タ・カ・ラの発音が弱い)
2 食べこぼしが増える
3 むせやすい(特に水やお茶)
4 硬いものを避ける
5 噛む力が弱くなる(咀嚼機能の低下)
6 食事の量が減る、体重減少
7 会話が減り、人との関わりが少なくなる
口腔機能低下が、社会性や栄養低下にもつながることが特徴です。
オーラルフレイルの評価法(口腔機能低下症の7項目)
日本歯科医学会・老年歯科医学会などが推奨している評価項目です
- 口腔衛生状態の不良(舌苔の多さなど)
- 口腔乾燥(唾液量測定や自覚)
- 咬合力低下(咬合紙やガムテスト)
- 舌口唇運動機能低下(オーラルディアドコキネシス)
- 低舌圧(舌圧測定器で測定)
- 咀嚼機能低下(グミやピーナッツで評価)
- 嚥下機能低下(EAT-10やむせの頻度など)
➡ 3項目以上該当で「口腔機能低下症」と診断されます。
オーラルフレイルが引き起こす影響
項目 | 影響 |
栄養低下 | 噛めない → 食が細くなる → 体重減少・筋力低下 |
誤嚥性肺炎 | 嚥下障害が進行すると肺炎リスク上昇 |
認知機能の低下 | 咀嚼回数の減少は脳の刺激不足に |
社会的孤立 | 会話の減少 → 孤独感・うつ状態に |
フレイル → 要介護 | 全身の虚弱 → 転倒・骨折・要介護 |
オーラルフレイルの予防と対策
予防の三本柱(口・栄養・運動)
- 口腔ケア
毎日の歯磨き・舌清掃
定期的な歯科受診(義歯調整、口腔機能チェック) - 栄養改善
よく噛める食品の工夫
タンパク質・ビタミンをバランスよく - 運動と会話
オーラル体操(パタカラ体操、舌回し)
地域の交流・カラオケ・会話も推奨
🦷 例:パタカラ体操(発声練習で舌・唇の筋肉を鍛える)
- 「パパパ…」「タタタ…」「カカカ…」「ラララ…」と各5秒程度×2~3セット
- 毎日継続することで滑舌・嚥下力向上に
オーラルフレイルの診療報酬対応(保険)
- 歯科保険で「口腔機能低下症」として保険算定可能(要施設基準届出)
- 介護保険では「口腔機能向上加算」(デイサービスなどで対応可能)
まとめ
特徴 | 内容 |
概念 | 口の軽微な衰えが全身フレイルに進行するリスク |
重要性 | 認知症・肺炎・低栄養・要介護状態と密接に関連 |
予防 | 歯科受診・口腔体操・栄養管理・社会参加がカギ |
位置づけ | 健康寿命延伸のための“最前線の予防医療” |