渋谷区恵比寿の歯科医院|SHIRON DENTAL OFFICE(シロンデンタルオフィス)

「設計ミス」が引き起こした再治療ケース 脱離を繰り返した前歯を、土台から再設計し回復した症例

治療前

Before

治療後

After

治療前

Before

治療後

After

治療前

Before

治療前

Before

性別 女性
年齢 70代
症例概要・補綴専門医の分析

【訴え】
「前歯の被せ物が何度も外れてしまう」
そんなお悩みで来院された70代女性の症例です。
脱離したクラウンは、ご自身で応急的に装着して使用されていました。

左上2番に装着されていたオールセラミッククラウンを撤去し詳細に診査したところ、脱離を繰り返す原因となる以下のような構造的問題が複数確認されました。

• クラウンの適合不良
• 中切歯(前の真ん中の歯)とほぼ同じ高さで本来の形態バランスを欠き、咬合負担を受けやすい設計
• 支台歯の維持設計不足
• 被せ物を支えるために必要な歯の立ち上がり(壁)がほとんど残っておらず、維持・安定の面で極めて厳しい条件でした。
• 既存ポスト長が短く、十分な保持力が得られない構造

一方で、レントゲン診査では
• 保存可能な歯根長が確保されている
• 根尖病変を認めない
• 歯周支持組織も安定しており、歯周ポケットも最大2mmと良好な状態を維持している

以上より、抜歯ではなく保存的再建が可能と判断しました。

【治療方針】
本症例では、単に外れた被せ物を作り直すのではなく、
「なぜ脱離したのか」を構造的に分析し、支台から再設計することを治療の中心に据えました。
まず、マイクロスコープ下で感染歯質を丁寧に除去し、必要以上に健全歯質を削らないよう配慮しながら処置を進めました。

そのうえで、
• ファイバーポストによるレジンコア築造
• 歯冠長とのバランスを考慮した十分なポスト長の確保
• 残存歯質を最大限保存した支台歯形成
を行い、長期安定性を見据えた土台の再構築を行いました。

プロビジョナルレストレーションによる形態評価
仮歯(プロビジョナルレストレーション)を製作し、一定期間使用していただきながら、
• 機能面(咬合・発音・清掃性)
• 審美面(歯冠長・切縁形態・豊隆)
• 周囲組織との調和
を細かく確認しました。
患者さまからは、
「反対側の前歯にできるだけ近い形にしたい」
というご希望があり、
• 歯冠長
• 切縁ライン
• 軽度の捻転感
• 豊隆
• 舌側への入り具合
などを含めて丁寧に検討し、可及的に左右の調和が得られるよう設計を行いました。

また色調についても、隣在天然歯との調和を重視し、自然感の高い色調設計を行いました。

【最終補綴設計】
本症例では、
・ブラキシズム傾向
・切縁部の咬耗所見
・想定される咬合負荷
も考慮し、

強度と審美性を両立できるジルコニアセラミッククラウンを選択しました。

精密印象採得・咬合採得を行い、最終補綴物を製作・装着しました。

【治療結果】
適合性・維持力・形態設計を根本から見直したことで、
✓ 安定した保持力の獲得
✓ 自然で調和のとれた審美性の回復
✓ 咬合機能の改善
✓ 長期安定性への配慮
を実現することができました。

【補綴専門医からのひとこと】
被せ物が外れる原因は、接着の問題だけとは限りません。
適合精度、支台歯形態、維持設計、咬合力、生活習慣――
さまざまな要素が複雑に関係しています。

外れた被せ物をただ同じ設計で作り直すのではなく、
「なぜ外れたのか」を見極め、土台から再設計する。
その一歯ごとの丁寧な再設計の積み重ねこそが、歯を長期にわたり守る補綴治療の本質だと私たちは考えています。

治療期間・回数

28日・4回

費用
(自由診療となります)

ジンコア築造:25,000円

ジルコニアボンドクラウン:154,000円

リスク・副作用

•コアの脱離
•クラウンの脱離
•セラミックの破折
•歯根破折
•咬合変化への適応期間を要する場合があります

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