モノリシックジルコニアに関するQ&A 集(基礎~臨床応用まで)
基礎編
- モノリシックジルコニアとは何ですか?
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モノリシックジルコニアとは、全体がジルコニアだけで作られた補綴物(クラウン・ブリッジ)のことです。
表面に陶材(ポーセレン)を焼き付けない「ワンピース構造」のため、欠けにくく非常に高い強度を持ちます。
- 「モノリシック」という言葉の意味は?
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「モノリシック(monolithic)」は一塊・単一構造という意味です。
内部も外側も同じジルコニアでできていることを指します。
- 従来のジルコニアとの違いは?
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従来型は
内部:ジルコニア
表面:陶材(ポーセレン)
という二層構造でした。
👉 陶材が欠けやすい(チッピング)という弱点がありました。
モノリシックジルコニアは
👉 欠けの原因そのものをなくした設計です。
材料の進化・変遷
- 昔のジルコニアはなぜ不自然だったのですか?
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初期のジルコニア(3Y-TZP)は
強度は非常に高い
しかし光を通しにくく不透明
そのため
👉「白すぎる」「のっぺりしている」
と感じられていました。
- 審美性はどのように進化しましたか?
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2020年代以降、以下の進化が起こりました。
イットリア含有量増加(4Y・5Y)
立方相(cubic)の増加 → 透明感UP
多層(マルチレイヤー)設計
色・透過性のグラデーション化
これにより
👉 前歯にも使えるレベルの自然感が実現しました。
- 多層ジルコニア(マルチレイヤー)とは?
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ブロック内部で
歯頸部側:強度重視
切端側:透明感重視
と層ごとに性質を変えたジルコニアです。
天然歯のような色調変化を再現できます。
強度・耐久性
- モノリシックジルコニアはどれくらい強いですか?
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一般的なセラミックと比べて
👉 圧倒的に割れにくい材料です。
強度の目安(概念)
3Y-TZP > 4Y-PSZ > 5Y-PSZ
- 強度と透明感は両立できますか?
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完全な両立はできません。
👉 「透けるほど、強度は下がる」
というトレードオフがあります。
そのため
奥歯:強度重視(3Y)
前歯:審美重視(4Y・5Y)
と使い分けが重要です。
- 臨床成績(長持ちする?)はどうですか?
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5年生存率:90~96%前後
欠けによるトラブルは非常に少ない
10年以上の使用実績も蓄積され、
👉 「長持ちする補綴物」として評価が安定しています。
製作・デジタル技術
- モノリシックジルコニアはどうやって作られますか?
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口腔内スキャン or 型取り
CAD/CAM設計
ミリング(削り出し)
焼結(シンタリング)
👉 人為的誤差が少なく、高精度です。
- スピードシンタリングは安全ですか?
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材料によります。
最近の研究では
メーカー推奨条件を守れば問題ないとされています。
👉 自己流の高温短時間焼成はリスクになります。
- 表面はグレーズと研磨、どちらが良いですか?
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高研磨(ポリッシング):長期安定性◎
グレーズ:一時的な艶出し
👉 対合歯摩耗や長期性を考えると
研磨仕上げが推奨されるケースが多いです。
審美・適応
- 前歯にも使えますか?
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はい。
高透過・多層ジルコニアの登場により
👉 前歯単冠でも使用可能になっています。
ただし
芸能人レベルの透明感
を求める場合は
👉 ガラス系セラミックが向くこともあります。
- 奥歯には向いていますか?
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非常に向いています。
強い咬合力
歯ぎしり
ブリッジ
👉 モノリシックジルコニアの真価が発揮されます。
デメリット・注意点
- デメリットはありますか?
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あります。
硬すぎて対合歯を摩耗させる可能性
欠けた場合、修理が困難
審美性は陶材焼付に劣る場合あり
- 対合歯を削るリスクは本当ですか?
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可能性はあります。
ただし
適切な研磨
咬合調整
材料選択
によりリスクは大幅に低減できます。
- 低温劣化(LTD)は問題ですか?
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理論的には存在しますが、
現代の材料設計では大きく改善されています。
👉 正規材料・正規工程であれば
臨床上の問題は限定的です。
費用・選択
- 保険は使えますか?
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いいえ。自費診療です。
- 費用の目安は?
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1本あたり
👉 5万~20万円前後
(材料・地域・医院により差あり)
- どんな人におすすめですか?
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とにかく割れにくさ重視
奥歯・歯ぎしりが強い
金属アレルギーが心配
長持ちする治療を希望
- 結局、モノリシックジルコニアとは?
- モノリシックジルコニアは
「強度×デジタル精度」に優れた次世代補綴材料です
近年は
👉 高透過・多層化により審美性が大幅向上
ただし
👉 透過性と強度のトレードオフを理解した材料選択が必須
適切な設計・接着・研磨が
👉 長期成功の鍵となります
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