第3部
第1章 睡眠を知る②―睡眠と筋肉の回復
④ 睡眠と筋肉の回復
身体を動かすと、筋肉には目に見えない小さな疲労や損傷が生じます。
睡眠中、特に深い眠りでは、全身の筋肉と同様にお口や顎の筋肉も休息し、疲労回復が進むと考えられています。
また、日中に使われたエネルギーも補充され、翌日に向けて身体が整えられます。
そのため、睡眠不足が続くと、
疲れが取れにくい
筋肉痛が長引く
運動能力が低下する
ケガをしやすくなる
などの影響がみられることがあります。
これはスポーツ選手だけではありません。
私たちは普段、腕や脚の筋肉だけでなく、お口や顎の筋肉も絶えず使っています。
食事で噛む、会話をする、飲み込むといった日常の動作はもちろん、楽器の演奏やスポーツ、あるいは教師や営業職、アナウンサー、司会者など、話す機会の多い仕事では、顎や口の周囲の筋肉に大きな負担がかかることがあります。
このようなお口や顎の筋肉も、睡眠中には疲労回復が進むと考えられています。
一方で、睡眠の質が低下すると、十分に休息が得られず、起床時に顎の疲れや違和感、首や肩の張りを感じる方も少なくありません。
また、睡眠中の歯ぎしりや食いしばりがみられる場合や、睡眠時無呼吸症候群(OSA)が併存している場合には、睡眠の状態と顎口腔領域の症状をあわせて考える必要があります。
つまり、睡眠は全身の筋肉だけでなく、お口や顎の健康にも深く関わっているのです。
本シリーズでは、こうした「睡眠と顎口腔領域」の関係についても、歯科の視点から分かりやすくご紹介していきます。
次回から「睡眠と歯科」のお話を始めます
睡眠は全身の健康と深く関わっていますが、実は、お口の健康とも密接な関係があります。
睡眠時無呼吸症候群、いびき、口呼吸、歯ぎしり・食いしばり、起床時の顎の疲れ、お口の乾燥など、歯科だから気付ける睡眠のサインも少なくありません。
次回からは、「睡眠と歯科シリーズ」として、睡眠中、お口の中ではどのようなことが起こっているのか、歯科ならではの視点から分かりやすくご紹介していきます。


